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アレグリアとは仕事はできない

アレグリアとは仕事はできない

アレグリアとは仕事はできない

作家
津村記久子
出版社
筑摩書房
発売日
2008-12-09
ISBN
9784480804174
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アレグリアとは仕事はできない / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

タイトルの意味をはかりかねていたが、それは読み始めてすぐに氷解。複合コピー機に付けられた愛称だった。その一方、主人公で物語の語り手でもあるミノベを、暫くの間は男性社員だとばかり思って読み進めていた。なにしろ、ミノベの最初のセリフが「おまえなあ、いいかげんにしろよ!」だったものだから。それとも、女性社員も独白する時にはこんな口調が普通なのだろうか。さて、小説はアレグリアを基軸にしながら、ミノベや先輩のトチノさん、その他の登場人物たちを翻弄してゆく。たかが1台の機械でも、その後の人生だって左右しかねないのだ。

2014/03/05

なゆ

タイトルがかっこいいな。アレグリアはきっと同僚の外国人女性かな?とか思ったらなんと、オフィスの複合機なんだった。気まぐれどころか人を見て動いたり動かなかったり、実に腹立たしいヤツ。特にミノベがコピーするときに限って、やたら休みやがる。ミノベVSアレグリアの静かな戦い。意外な結末にため息。「地下鉄の抒情詩」は、満員の通勤電車の中の光景。いや確かにあの空間はサイアク。でもここに渦巻くイラ立ちと怒りはあまりに呪詛のようで、読んでてぐったりきた。最後はちょっとは救われたけど。あえて言いたい、痴漢ヤローは死ね。

2018/03/23

みかん🍊

A0まで使える複合コピー機アレグリアの不具合に苛立つOL、事務機器が調子悪いとすぐメンテ呼ばないて取り敢えず騙し騙し何とか手なずけて仕事を進める、なのに思い通りにならない、仕事が進まない苛立ち、仕方なくメンテを頼むとその時には不具合が起こらない!事務系の仕事をしている人なら共感できるはず。

2016/01/23

chichichi

表題作、発想が面白い。私も奴らに困らされた経験があるのでミノベの気持ちが分かる。vsアレグリアだけではなく、サポセン、サービスマン、先輩とも戦うミノベを応援したくなる。どこの社内でもこういったこと起きてるんだろなとしみじみ感じ楽しめた。もう一方の「地下鉄の叙事詩」、満員電車内の人々の様々な思いがリアルに表現されてて恐ろしい。今は乗ることは無くなったけど、以前乗ってた時は読書するか寝るかだったのでもっと人間観察しても良かったな。津村さん作品の淡々と進む雰囲気が好き。

2016/03/13

ままこ

私も思わず機械に対してこんな態度を取る場合もある。万物には魂が宿るという信仰のミノベ。複合機アレグリアに対する悪態のつきかたは笑えるし、自己評価や他人評価も的を得ている。追求タイプで一見面倒くさそうだけど、最後まで読むと好感度が高くなる。ズルして甘い汁を飲む人たちにムカついたが、しっぺ返しにスカッとした表題作。鬱憤が相当溜まっている人達の独白が連鎖する「地下鉄の叙事詩」そのイライラがこちらにまで伝わり嫌な気持ちになるが、ラストはスッとする。良い面も悪い面もひっくるめた独特の人物描写が上手い2つの中編。

2023/07/11

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