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まともな家の子供はいない

まともな家の子供はいない

まともな家の子供はいない

作家
津村記久子
出版社
筑摩書房
発売日
2011-08-08
ISBN
9784480804327
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まともな家の子供はいない / 感想・レビュー

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風眠

中学生くらいの女の子って、大なり小なりこんな感じなんじゃないかな、って、自分のことを振り返って思う。親のこと、クラスメイトのこと、学校や社会のしくみのこと、とにかく何にでも不満だらけだった。主人公のセキコも不満を体いっぱいにためこんで、心の中で力いっぱい毒づいている。そのくせ、友達には本音を言えない。嫌われるのが嫌だから、という単純な理由ではない。例えば今夜家に帰りたくないから、とりあえず同意しておいて泊めてもらうのに支障がないようにしよう、という理由。思春期の女の子の心の動きを知るのにはよい本だと思う。

2012/02/21

R

つらつらと思考がだだもれになった会話劇のような、脳内劇のような、軽妙なやり取りが、連綿と続くだけの物語だけども、それによってタイトルの通りそれぞれの家庭の都合や、成り立ちが見えてきて、人間社会とはなんぞやと考えたくなる一冊でした。間の抜けた珍妙な会話なのに、それがより一層、他人やその家との違いみたいなのが浮き出てくるみたいで不思議だ。

2018/10/20

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

☆5.0 『まともな家の子供はいない』 14歳中学3年受験生の主人公キリコの頭の中は ぐだぐだ、もやもや、ぐだぐだ、もやもやで破裂してしまいそうだ。 他『サバイブ』を収録。

2021/05/03

みかん🍊

14才の夏休み、仕事を辞めた父親がいる家にいたくない、かといって行く所がない、家出をする度胸もない家族に対する苛立ち、怒れる感情をどうする事もできない、買い物依存の母親、鬱陶しい兄、母親の浮気発覚、さまざまな問題を抱える家庭の子供たち。いつものお仕事小説とは違いますがやっぱり読んでいて疲れる津村作品でした。

2016/05/11

pino

親の言いつけを破って扉を開くと、大人の狡さやエゴが汚らしく映り始め、とんがった神経がドクドク脈を打つ。そこにも親の存在を感じて思いっきり、腕を引っ掻きまわす・・中3のセキコは、親のいない場所を求めて「まともでない家」を出る。しかし、いつも不快感が付き纏う。嫌な匂い、不味い麦茶。セキコの親に対するいらだちが形を変えて現れている。頼りのクラスメート達も家庭の問題を背負っている。読書中は自分の体験と重なって息苦しかった。ただ、セキコと母親がぶつかり、突破口が見えたようだ。親の顔から自分の顔へ変わっていく瞬間が。

2012/07/07

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