黒蜜
黒蜜 / 感想・レビュー
あじ
これは魅惑を漂わす子供たちの標本箱か。脱皮の瞬間を観察する14の短編を、つづら折りに綴じている。蠱惑な物語に捕らわれた私は餌食に…小池昌代はスパイダー。★3.4/5
2018/03/08
橘
図書館でタイトルを見て、「これはひきこもりすと必読の書では…」と借りたのですが面白かったです。子どもたちに漂う、不穏な空気が好きでした。子どもらしいって一体なんだろうな、と思うほど、様々な子どもたち。一つ一つのお話が短かった短編集でしたが、お話の世界に惹かれました。小池昌代さんの他の本も読んでみたくなりました。
2016/03/22
やっち@カープ女子
この著者は詩人でもあるのですね。 日頃一般受けするベストセラーばかり読んでいるので、私には物足りなかったです。とことん不思議であったり、ブラックで衝撃的な終わり方とかを期待してまうので。でも借りて来た子供は、共感出来るところもあって面白かったと言ってました^^;
2013/05/12
まみ
子供を描いた短篇集。短篇だけどどれも密度が濃かった。無邪気でない、特別な、風変わりな子供たちが出てくる。けれど、風変わりでない子供なんているだろうか?子供視点だからこそむき出しの感情がここにある。死に近いところにいる。あと、個人的な話ですが私のことを「みるこ」と呼ぶ人がいるので、同じ名前の人が出てきてびっくりした。
2012/10/14
風眠
子どもの持つダークサイドな一面に焦点を絞った短編集。淡々とした文体と奇妙な世界観に、ヒヤッとするような怖さを感じた。大人が思っているよりもはるかに、子どもは何でも理解している。頭で、というよりは、もっと体の奥深いところで、名付けられない感情を理解している。そして「理解している」ということを無邪気さで上手に隠してしまえるのもまた、子どもの持つ一面なのだと思う。モノクロの世界にひとつだけ鮮やかな色が浮かび上がるような、ある種の毒々しさを感じさせる文章がとても魅力的な作品だった。
2012/01/28
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