星か獣になる季節 (単行本)
星か獣になる季節 (単行本) / 感想・レビュー
はまだ
42歳に至った。これまで本を読む機会に恵まれてきた。好きだったり好きじゃなかったりする。本を。文章を。「文体」という言葉は、たぶん意味を備えすぎちゃったので、言い換えたい。文体とは句読点の位置だ。私にとってはそうなのだと思う。位置と量だ。慣れているものとは違うからダメなのか、慣れているだろうものを、句読点の位置と量だけで少し変えようというその心意気が嫌なのか。たぶんそのどちらでもない。難しかった。これって片想いみたいだ。42歳だ。プリンを踏んだことがありますか?私はないです。プリンの話は出てこない。
2017/06/23
さや
「星が獣になる季節」と「正しさの季節」が収録されている。この二作、さらにあとがきまで含めたこの一冊が素晴らしい。あらすじを語ることはできない。それも含めて素晴らしいから。抽象的にまとめると、どこからも見える星の光は、近づくと燃えて獣になることもある。そんな星をどこから見るのが正しいかなんて誰にも分からない。空を見なければ星を見なくてすむし、どの方角からも星は星として存在してるのに少し違って見える。そんな話。
2017/07/17
かっぱ
十七歳は星か獣になる季節。ロッド・スチュワートの「ただのジョークさ」という歌で「誰もがヴァレンチノだった」という歌詞があったが、この年齢は自分のことを特別な存在だと思いたいものなのだ。星か獣にでもなって自分のことを周りに誇示したくなるのだ。
2015/05/18
らむり
ちょっとよく分かりませんでした。
2015/04/03
Y
青春はすばらしいと言う人がいる。その言葉を否定するには少し躊躇してしまう。だけど実際青春は息苦しいものだった。今よりも視野が狭くて他人を恨んで自分を責めた。筆者はあとがきで青春を「軽蔑の季節だ」と言った。そして青春の生きづらさがどんなものであったかすんなり納得できた。思春期に人は自分の存在がいかに不確かなものか思い知る。けれど、他人を軽蔑することによって揺らいでいる自分に安心感を与えることが出来る。陰惨な連続殺人事件は遠い話のようでありながらありふれた青春の残酷な一面が繰り広げられているとも感じた。
2018/01/10
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