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無限の玄/風下の朱 (単行本)

無限の玄/風下の朱 (単行本)

無限の玄/風下の朱 (単行本)

作家
古谷田奈月
出版社
筑摩書房
発売日
2018-07-13
ISBN
9784480804808
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無限の玄/風下の朱 (単行本) / 感想・レビュー

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ケンイチミズバ

まだ世界の何も知らない子供に楽器を与え、音楽を押し付けたのだ。本人の意志であるかのようで、無理強いしているのと同じ。男が家系や血を継ぐのは当たり前なのだからは、私がいちばん嫌いな思考だ。私の父は疎遠なまま逝ってしまったが、この親父は輪廻転生する(笑)。たまったもんじゃない。作者は家父長制を揶揄したのだろうか。思えば、家には仏間がありいつまでもいるかのようにお供えをし祈る習慣も呪縛かもしれない。叔父が警察に確認するとそれは安置所にあった。この父親がいなくなることで息子たちにも新しい選択ができたかもしれない。

2022/09/28

なゆ

むむむと複雑な読後感。2つの話にはどこか似たような空気が漂う。何だろう。「無限の玄」は男ばかりの話。父(玄)と息子二人、叔父と従兄弟、合わせて5人のブルーグラスバンド“百弦”がツアーの合間に帰ってきた月夜野での奇妙な出来事。玄が死んだ…のに、なんだか陽気になって、コミカル?ホラー?どっち??と思ってたらどんどん重苦しい感じに。もう一つの「風下の朱」は野球部を作ろうとする女子大生の話で、女ばかりが出てくる。“私たちの正しさ”とは。男にとっての“血”、女にとっての“血”、という2つの話なんだろうか?

2018/09/08

fwhd8325

ファンタジーの世界を描く作家さんと思っていましたから、この作品は、幅広い作家さんだという印象を持ちました。2作品とも、中短編程度のの作品ですが、少々疲れました。黒澤明が芥川の「藪の中」を「羅生門」としたように、二つの作品とも、想像力を大きく刺激する、小説で言えば、描かれていない行間を感じ取る作品のように思います。しかし、ぼんくらな私には、ちょっと難しい。降参です。

2018/09/02

Emperor

とても読みやすい文章と、角度のついた不思議なストーリー。このミスマッチさが、なんとも不穏な雰囲気を漂わせている。初読み作家さんなので、他の作品も読んでみたくなった。

2018/09/16

巨峰

純文よりの幻想小説の一対。「無限の玄」毎日死んでは甦る父。でも、そのたびに死体が増えていくって設定だけ面白かった。映像化したらシュールだろうなと。でもそんな小説じゃない。「風下の朱」はさらにわからなかった。女子野球部をめぐる話だけど、スポコンものでもない。ここの感想を読んだらそういうことかと、頭ではわかったけど、そこまで。男には、心底からは理解できない小説だと思う。まあ、そんな小説があってもいい。

2021/02/14

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