遠い朝の本たち
遠い朝の本たち / 感想・レビュー
ぶんこ
面白くて時間を忘れて一気に読んだ・・という本ではなく、他の本の間に少しずつ読みました。 幼い頃の読書体験が似ていたので親近感を持ったのですが、後半にいくに従い次元が違いすぎました。 お父様が留学先にまで本を送ってくださるとは恵まれた環境ですね。
2016/03/07
Eee
須賀さん2冊目。こちらは本にまつわるお話とあって、以前読んだものよりも読みやすかった。戦時中を生きた須賀さんの本に対する思いや詩に対する思いが強く描かれていた。須賀さんの人生に影響を与えた本も紹介されている(まがり角の本)。歴史的な本や日本文学が多く出てくるため、一度は手に取り読みたいと思った。鴎外に対する父の思いと須賀さんの解釈から奥深いものを感じた。
2016/07/14
Gotoran
著者が幼少期から学生時代に出会った本に纏わるエッセイ集。本との出会い、その本を介しての人との出会い・・・自分の心の糧となった本について。静謐で美しい文章で。わくわくしながら引き込まれるように読み、上質の読書時間を過ごすことが出来た。紹介のアン・モロウ・リンドバーク、(若いときに若干読んだ)森鴎外、サン=テクジュペリを読んでゆきたい。示唆に富む言葉;“きみは人生に意義をもとめているが、人生の意義とは自分自身になることだ”(サン=テクジュペリ著『城砦』より)
2014/12/30
愛玉子
読書というのはまさにこういうことなのだ、と思い知らされる。須賀氏が遠い朝に出会ったたくさんの本たち、そしてそれらの記憶とともに、出会った人々やその時代の色、香り、手触りが甦る。読んだ本はひらひらと降り積もり、美しく強固な地層となって彼女の中心に揺るぎなく存在している。翻って私はどうか。本一冊あたりモノによっては二十分ほどで読めてしまうのをいいことに、多読をのみ誇る気持ちがどこかになかったか。私の読んだ本は、私の中に美しく残っているのだろうか。彼女の静謐な文章に立ち止まり、ゆっくりと深呼吸をする。
2010/02/25
いちろく
紹介していただいた本。著者の幼少期や学生時代を中心とした思い出語りであり、人生の直ぐそばに本があったと語られる内容でもある。全体の雰囲気が親しみやすい。難しい言葉を使うわけではなく、特別な表現が羅列されるわけでもないのに、俯瞰したときに不思議な独自性がある点も、読んでいて魅力で不思議だった。出典から、還暦以降に書かれた内容であると知り、話の詳細な点でも著者の記憶力に驚く。毎日少しずつ読み進めた本。
2022/03/09
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