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神も仏もありませぬ

神も仏もありませぬ

神も仏もありませぬ

作家
佐野洋子
出版社
筑摩書房
発売日
2003-11-01
ISBN
9784480814586
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神も仏もありませぬ / 感想・レビュー

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積読亭くま吉(●´(エ)`●)

★★★★アタシは本当にちっせーオンナだなぁと…いや、サイズはデカいけど。しみったれたバァさんになっちまったなぁと、しみじみ思った。あぁちっさい、もはやこすい。せせこましく、狡っからい、実に嫌なオンナになったものだ。誰に何と思われようと、しれっと当たり前に生きていきたい。好い人だと思われたいとか、感情をなるべくフラットにとか、どっかの自己啓発本みたいな事ばっか言ってる自分が、どこまでもどこまでもミニマムに思えて…悔しくなるくらい、面白いぞ、佐野洋子。

2016/06/09

chimako

所々に出てくる得意満面の洋子さんを想像しながら何故だか泣けてきた。「洋子さん、幸せで良かったねぇ」って。サトウさんやアライさんや謎のハヤシさんやニコニコ堂。洋子さんの周りには「こんな人と知り合いになりたい」と思わせる人たちが集まってくる。いいなぁと羨ましく思う。年を取ってからの友だちは大切だと洋子さんも言っている。男性の老後は友だちがいるかいないかだと。女性にとっても同じと感じる。昔からの友だちも新しくできた友だちもとてもありがたい。友だちって言葉は少し恥ずかしいけれどね。どうかこれからもよろしく。

2016/06/12

パフちゃん@かのん変更

『100万回生きたねこ』の佐野洋子さんのエッセイ本。面白いです。佐野さんと言えば谷川俊太郎さんと2度目の結婚をして離婚した方ですよね。群馬県の山の中で一人で暮らしている佐野洋子さん。家族の話は妹さんや義弟さん、認知症のお母さんしか出てこないが、山の中で暮らす友達の話が楽しい。隣と言っても18kmも離れている。でもいいお付き合いをしていらっしゃるようだ。このエッセイには63歳から65歳になるまでの日々の話がつづられている。気取らず、歯に衣着せない姿勢がカッコイイ。

2016/06/15

pino

人間の老いや死を書くとしたら、私はどの筆を選ぶだろうか。H2の鉛筆でカリカリと力を込めて書くだろう。この本には、佐野さんの身近に起きた老いと死が、綴られている。本当は悲しい出来事なのに読み手の私は不謹慎にも笑ってしまう。それから、しんみりとなる。「生まれてこない人はいるけど、死なない人はいない」と佐野さん。考えてみれば、死はあちらこちらにコロコロころがっている。その人の死を受け止めることで、その人は何度も生きかえるのだ。佐野さんは墨をたっぷりと含んだ筆で生を書く。天女の羽衣を描くようなタッチで。

2012/03/30

阿部義彦

佐野洋子さんのエッセイ集。洋子さん65歳くらいの時のもの。老いや自身の母の介護の事など、晩年を意識した話題が中心になります。飼い猫の最後を見送り、その何にもとらわれない死に方に感銘を覚えます。一風変わった方々との交友録なども、その中のおひとりニコニコ堂という古道具屋の息子は後の小説家、長嶋有さんでした!それで単行本の表紙を佐野さんの版画が飾る事になったのか!年老いても筆の勢いは鈍ってはいません。

2023/09/10

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