サウンド・ポスト (単行本)
サウンド・ポスト (単行本) / 感想・レビュー
モルク
オーストラリアで日本食店のシェフをしている崇。3才の娘メグを残しフランス人の妻が急逝、そこから日本語のトーチャン崇とフランス語英語の娘メグの奮闘が始まる。5才でバイオリンを習い始めたメグ、メキメキと上達し…コンクール、音楽科のあるスクールへの推薦の話…仕事をしながらのトーチャンの献身的なサポート。更に店主であり親友の瑛二の存在なしでは語れない。音楽は言葉、崇はメグの、メグは崇のサウンドポストだった。でも崇はメグに日本語の素晴らしさ、メグ(恵)の意味を教えてあげてほしかった。
2022/10/06
ゆみねこ
英語が不自由な父と日本語がわからない娘の物語。オーストラリアの地で、3歳の娘メグを残し妻のエリースが亡くなる。日本料理店で働きながら娘を育てる崇。メグはヴァイオリンと出会い崇はそれを支え続ける。崇の同僚の瑛二、ルーシー先生やセルゲイ先生に見守られメグの才能は開花して行く。ヴァイオリンの最も大事な部分がサウンド・ポスト、メグの人生のサウンド・ポストは父の崇。良い物語を読んだ。岩城けいさんの作品で最高、お薦めです!
2022/10/24
☆よいこ
父娘の音楽物語。オーストラリアに住む日本食料理人の崇(たかし)はフランス人の妻が病死し、3歳の一人娘をひとりで育てる。慣れない育児と妻を亡くした悲しみにくじけそうになるが、仕事仲間の瑛二(えいじ)の協力でなんとか娘メグと向かい合う。メグがバイオリンを習い始め、父娘は二人三脚で音楽に打ち込む。音楽経験者の瑛二もサポートする。英語が得意でなく基本無口な料理人の崇は、音楽を通じて娘と心を通わせる▽こんなのラスト泣くに決まってるやん。一歩間違うと子育てBLなるやん。「チャンチャン」はトーチャンとエーチャンの略かw
2022/07/26
ひらちゃん
肌の色も言葉も何もかも…。母を亡くした父と娘の言葉は音楽だった。報告は母親が1番、だけど父親にだってちゃんと伝わる。世の親にもいえてるね。トーチャンがメグに与えたのは深くて誰にも出来ることじゃない確かな愛情だ。時にはエーチヤンがピリッと言ってくれて二人のお父さんがいるみたい。メグの幸せを心からエリースも喜んでるに違いない。最後は予想しちゃってたけどずるいなあ。涙が止まらないよ。
2022/08/15
pohcho
オーストラリアの和食店で働く日本人男性。フランス人の妻を病で亡くした時、残された娘はたったの3歳だった。英語の拙い父と英語しか話せない娘。共通言語を持たない父娘だったが、娘がバイオリンを習い始めたことでその世界は豊かに広がっていく。周囲の人々にも支えられ、娘は明るく優しい女性へと成長。不器用で口数の少ない父が、ただただ娘の幸福を願い、娘に寄り添い生きようとする姿に心打たれる。最後、ちょっとそれはないよと思いつつも、感動作だった。
2022/08/18
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