老人力 2
老人力 2 / 感想・レビュー
猫丸
標準世間の凡庸構造はスジガネ入りだ。いかに尖ったものでもカドを丸めて砂糖でくるんでからでないと流通を許さない。「老人力」の場合は逆の力学が働いた。万事あいまい化を評価する本来の意義を歪曲し「お元気なご老人」「お歳を感じない」方向へ向けた把手をつけて凡庸化した。ブームを受けて原平さんがボヤいている。1999年発行。身辺雑記と老人力関係のエッセイ。この時期、似たような原稿・講演依頼が殺到したようだ。イヤでも思索は深まる。本書末尾で「老いと人間」を宇宙的規模でとらえるに至る。これを教科書に載せたらいいと思う。
2020/01/26
nizimasu
老人力の1冊目では書き漏らしたけど、小難しい本ではなくて、身辺雑記のネタ帳とも言うべき、面白い日常が綴られているのが、この本どころか赤瀬川さんの本の好きなところだ。貧乏育ちというか、日常の中におかしみを見つけるというのは、日本の紀行文学やエッセイ、説話集なんかにも通じるシンプルさがまたいい。知れば知るほど、その日本の文学界はもとより現代美術や批評家の側面も無視できないなあと思うばかり。飄々としているかっこよさもいい塩梅だ
2015/01/28
田中峰和
赤瀬川源平が97年に提唱したのが老人力。彼が60歳のときで老人ともいえない。彼を有名にしたのは千円の描写によって札通貨及証券模造取締法違反で起訴された事件。話題には事欠かない人物で、81年には芥川賞を受賞している。そんな人物の南伸坊たちとの交友が面白い。漫画の月刊誌「ガロ」で漫画としても活躍している。ようは多才な人物。巨人軍で全く役立たずだったトマソン選手の名前から、街中で意味をなさない物事をトマソンと命名。これも大ブームとなった。いまでいえば、インフルエンサーで彼の功績と世間に与えたインパクトは大きい。
2024/08/13
還暦院erk
『老人力』に引き続いて図書館から借りて読了。この巻の内容の方が若干重い。お墓の話が具体的に出てきて複雑な気持ちになった。「墓守り祭祀って御先祖様に捧げる租庸調だなぁ」…神仏を信じてない長男嫁(わたしだ)は溜息をつく。
2014/11/07
讃壽鐵朗
老人力なるものを、理解できなかった
2018/07/05
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