東京の生活史 (単行本)
東京の生活史 (単行本) / 感想・レビュー
starbro
今年の最巨編(菊版、二段組、1,216頁、150万字、約2㎏)を3日かけて完読しました。聞き手150人×語り手150人、多種多様(老若男女、LGBTQ、日本人、ハーフ、外国人入り乱れ)な市井の東京に棲まう人々のインタビュー集、ドラマがありました。読んでいて飽きませんが、最初の二日間は、本書を持ち歩いていたので、疲れました(笑) https://www.chikumashobo.co.jp/special/tokyo_project/
2022/01/15
アキ
なんて重い本なのだろう。1200頁。東京で暮らす、または暮らしたことがある人たち150人へのインタビュー集。ここには実に様々な人生があり、必死に生きる人のふとした一言が心に響く。今日も混雑した電車に偶然乗り合わせた人たちは、それぞれの必然でそこにいる。東京で今暮らす人たちも同じ電車に乗り合わせた人々と同じようなものなのだ。かつて東京で暮らしたひとりとして、懐かしく、そしてもちろん初めて知る時代も場所も職業も異なる、懐の深い東京を肌で感じることができた。みんな東京で精一杯生きている。生きている限り、全力で。
2021/12/03
がらくたどん
東京で生活する(生活していた)人達150人分の「聴き書き」なのだが手法がとても面白い。一般公募で選ばれたのは「語り手」ではなく「聴き手」。150人の聴き手が自分で語り手を選定して話を聴く。記録に記されるのは基本聴き手の氏名のみで語り手の情報は「語り」の中にしかない。つまり性別・年齢・職業・聴き手との関係といった人物像を外から枠付ける情報なしに読者は「ある人物」の半生なりを傾聴する。「人物像」という仕分けコードの脆弱に気づく体験だけでも稀有で貴重。通読後、多分折に触れて「あ、あの人!」と辿り帰りたくなる。
2022/08/09
竹園和明
上下2段1,216頁。厚み6センチ!。東京に暮らす老若男女150人に今までの暮らし等を語って貰い、そこから東京という巨大都市の過去~現在の断片を浮かび上がらせるインタビュー集。聞き手も語り手も一般人。人それぞれの歴史をサラサラと読んで行く。東京を象徴する建造物等ではなく野良猫が行き来する路地裏を覗き見たような印象。大事件もなく、またこれを読破すれば「ザ・東京」の全貌が見えて来るわけでもないが、市井の人々の色んなライフヒストリーが興味深かった。こういう個々の暮らしが、大都市東京を形作って来たんだな。
2022/03/02
しんい
1200ページという長大なインタビュー集。二段組で文字も小さい。人間が合理的に作れる人的ネットワークは150名が上限という説があったが、まさに頭がパンクしそうな情報量。東京に縁がある(ずっと東京に住んでいるとは限らない)方々のストーリーを公募したもの。やや劇団・芸能関係(大くくりですみません)が多いか。サラリーマンはほとんど出て来ない。満州の大連でレンガづくりの家に住んでいた話、日系ブラジル人の方のブラジルでの生活の思い出など。東京に来た理由、出ていった理由など、当然バラエティに富んでいる。
2023/01/13
感想・レビューをもっと見る