小説家夏目漱石
小説家夏目漱石 / 感想・レビュー
風に吹かれて
1988年刊。小説家大岡昇平にとって夏目漱石は「文学入門」だったのだという。小説を書く者として漱石作品を論じる。『猫』」より『倫敦塔』を漱石は大切な作品として書いていた等読みどころが多い。『猫』を書きながら『幻影の楯』など幻想的な作品を書き、ひとりの人間として精神のバランスをとり、『猫』的な作品と幻想的な作品を併せた漱石の資質を見せるのが『草枕』だとの指摘に、思わず「なるほど」と唸ってしまった。大学での講義などを加筆・修正してまとめたもので、漱石が触れたヨーロッパ文学の説明も分かりやすく、面白かった。
2015/07/21
寛理
☆☆☆☆☆ 読まなきゃいけない本ほかにあるのに面白すぎて途中でやめられなかった
2020/01/22
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