男流文学論
男流文学論 / 感想・レビュー
なめこ
ふと思い出して五年ぶりくらいに読む。それぞれ別の方向を向いてはいるけれど同じ武器を持って闘っている三人の女性たちが、いわゆる文豪はじめ売れっ子男性作家の作品にくだんの武器、フェミニズム的視線を向け批評する。作者と作中主体をほとんど同一視するような議論がでたり、作者の伝記的事実に重きを置きすぎる傾向があったりと、文芸批評としては、多少の難もみえる。だが、恐らくこれ以降男流小説家や男流批評家たちは迂闊に発言できなくなったのではないかとおもう(とはいえいまだに生き残りもいるので、闘いはつづく)。刺激的だった。
2015/11/18
Gen Kato
再読。『死の棘』と『ノルウェイの森』の読解に改めてうなる。三島論はとり上げた作品セレクトが完璧。知性ある論考と言語には幾度呼んでも発見がありますな。
2016/08/31
ととろ
上野、富岡、小倉の3人のフェミニストが近現代男性作家の文学作品を語る。ただ予め述べておくと、フェミニズム「批評」家として文学批評を行っているのは上野だけで、残り2人はフェミニズム「活動」家としてイデオロギーをぶつけているだけのように感じた。2人の主張は「○○は女を知らない」「リアリティがない」に終始しており、上野も聴くに耐えなかったのか呆れた様子で2人を諌める場面が何度か見受けられた。上野のジェンダー論は怜悧で、私は特に村上春樹、三島由紀夫、谷崎潤一郎について、彼らのジェンダー観の分析を興味深く読んだ。
2014/12/07
悸村成一
出るべくして当然出版された所論かも知れないが、あら勇ましいことよ。図書館本。 55
2014/09/10
pom
ノルウェイの森、禁色、砂の上の植物群、痴人の愛など、昔昔読んで分かった気になってたけど、この3人にかかったら形なしです。
2014/12/01
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