笑う子規
笑う子規 / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
これは良い!正岡子規というと以前読んだ『病床六尺』の印象が強すぎて、病気に苦しみながら、コツコツと俳句を真面目に作り続けた人というイメージがあった。確かにそんな面もあるのだが、この本を読むと子規は何よりもユーモアの人だったことが分かる。おおらかでクスリと笑える俳句多い。気に入った句をご紹介。「渋柿の馬鹿の薬になるまいか」。「婆々さまの話し上手なこたつ哉」。伸坊さんのとぼけた味わいのイラストも最高。
2014/01/09
ケイ
柔らかい句集。松山の「子規記念博物館」館長だった天野祐吉さんが選び、南伸坊さんの絵をつけて、季節ごとに(句だものね)まとめている。天野さんは、笑顔の子規を紹介したくて、毎月、自分で一句選び手書きで館の前に垂れ幕にしていたそうな。子規の句も良けりゃ、祐吉さんのコメントも伸坊さんの絵もいい。でも、秋から冬は、やはり寒々しいから、私は新春から春、夏にかけての句が好きだ。句集をこんなに味わえたのは初めてだ。祐吉さんと伸坊さんのお二人に感謝。ちなみに最初の垂れ幕は、「めでたさも一茶位や雑煮餅」
2015/03/22
じいじ
正岡子規と夏目漱石は無二の親友です。先日読了の漱石オマージュの『ミチノク先生』(伊集院静著)に詳しく書かれています。今作でも俳句をとおして、二人の親友ぶりが察知できます。漱石作のユーモラスさに負けず、子規にも「明るい笑える句」がゴマンとあります。2万4千もの中から、編者が選びだした句に、大いに笑って気分転換をさせてもらった。気に入った句に付箋を貼っていったら…。字数制限のため、3句に絞るのに苦労しました。①五女ありて後の男や初幟(のぼり)②雑煮くうてよき初夢を忘れけり ③人間を笑うが如し年の暮
2023/11/01
KAZOO
子規記念博物館の名誉館長であった天野祐吉さんが子規の俳句から選んで若干の解説を入れ、そこに南伸坊さんの絵が描かれていて何とも味わい深い本に仕上がっています。歳時記と同じような順番で新年から始まり冬で終わっています。表紙の絵もいいですね。
2015/04/02
キジネコ
生涯に2万と4千以上の句を読んだとか・・選んで240の可笑しみ。意味はないけど一番楽しい、好きはどれ?と読み終えて漸く10に絞ったけど この先がなかなか 一つに行き着かない。彼の人の短命に「才」と「命」を両天秤にかけて悪魔と交わす約束のことを思ってみる。野球と餡パンと柿と俳句が大好きだった子規さんは どうだったのか知ら? 5 7 5に込めたもの、隠れたものを各々の句に思い。無為無才無芸でいたずらに「長命も才のうち」と嘯く我が身の遣る瀬無いこと。「渋柿は 馬鹿の薬に なるまいか」自嘲しつつ一句選ぶ(^-^)
2014/02/28
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