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落日の譜: 雁金準一物語

落日の譜: 雁金準一物語

落日の譜: 雁金準一物語

作家
団鬼六
出版社
筑摩書房
発売日
2012-12-01
ISBN
9784480823748
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落日の譜: 雁金準一物語 / 感想・レビュー

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夜間飛行

跡目争いに傷つき、遺恨試合で本因坊秀哉に敗れた悲運の棋士雁金準一。著者は幼いころ父の書斎にあった打碁集を見て以来、雁金に興味を覚え、長じて人々の助けを得ながらこの清廉で一途な男の半生を追っていく。作中、著者に重要な情報を伝える富田忠夫八段(雁金の高弟)は、私の大学時代の碁の先生だ。巻末には、富田の訃報に接した著者の追悼文、さらに著者自身も亡くなり未完に終わった旨の別記がある。が、読後感は決して暗くない。孤高の棋士と明治・大正の棋士群像に陽を当てる本作にはほのぼのとした温かさがある。落日とは祭なのだろうか。

2022/12/18

Boca Abajo

「これほど面白い囲碁小説があるだろうか?」と思った。「棋界」という小さな世界で非常にダイナミックな歴史がそこには存在したことが垣間見れた。囲碁を知らない人でも楽しめるし、囲碁、また明治史について少し知っていればさらに楽しめる。 あと、川端康成の「名人」という本を読んだことがあるが、この「落日の譜」を読んで、秀哉のイメージがガラリと変わってしまった。「名人」を読んだことがある人は「落日の譜」も是非読んでみてほしい。

2013/08/13

ジャスミン

団鬼六さんの絶筆となった作品。碁打ちとしての才能がありながら悲運が重なり、本因坊を襲名出来なかった雁金準一の生涯を描いている。伊藤博文に可愛がられて、政務の合間に準一少年と碁を打つ伊藤の姿や囲碁棋士達の側面も描かれていて、囲碁を知らなくても楽しめる作品です。明治という時代に生きた棋士達の思いが交錯する作品でもあります。

2012/12/30

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