世界は何回も消滅する: 同時代のアメリカ小説傑作集
世界は何回も消滅する: 同時代のアメリカ小説傑作集 / 感想・レビュー
eclectically
どれも軽妙でいて深遠。くせになりそうな訳もチャーミングだし、挿絵もいい。ぼんやり名前を知っていたティム・オブライエン、T・コラゲッサン・ボイル、トビアス・ウルフはやっぱりすごいし、初めて知ったトム・ロビンズ、マックス・アップル、ゲイル・ゴドウィン、リチャード・フォードをもっと読んでみたくなった。贅沢な本だなあ。復刊すればいいのに。訳者あとがき引用「そうだよ、世界は何回も消滅するのだよ、幻滅などくそくらえ。」
2016/12/20
miki
なぜか引き込まれてしまう短編集。どれも不思議な後味を残し、もっと読みたいという気持ちにさせる。向こうの多様な文化の煩雑さはおもしろく奥深い。日本の短編とは、まったく違った世界観や設定に狂気的な魅力を感じた。
2015/06/29
志ん魚
これ1冊で、R・カーヴァーも、T・オブライエンも、T・コラゲッサン=ボイルも、F・ロスによるクンデラのインタビューなんかも読めてしまう。そして何より好ましいのはバリー・ハナが3本も収録されている! さらには、今年亡くなられた阿部真理子氏の挿絵作品集としても一見の価値あり。装丁は地味だが、結構な豪華本じゃなかろうか。
2010/08/20
harass
はるか昔に積読にしていた本をようやく読み終える。90年代アメリカ短編小説のアンソロジーになる。ネジ曲がったものばっかり。バリー・ハナ、リチャード・フォード、コラゲッサン・ボイルを初めて読んだ。カーヴァーとティム・オブライエンは相変わらず。トム・ロビンスの『ヴァギナの谷』の破天荒さに驚く。海外短編小説ってのはなかなか日本で翻訳されない事が多いのでこういう本は大事だ。無名時代のクンデラとロスの対談があったりする。文庫化を望む。
2012/10/11
mitch
大学の最初の頃はビジネス本と自己啓発本が好きだった。 だけどなんとなく嘘臭さを感じて、小説を読むようになった。 何に嘘臭さを感じたのか、ずっと分からなかったけど、この本の対談を読んで、少し分かった気がする。 小説は何も断定しません。小説は探求して疑問を提出するだけだ。人間の愚行はあらゆるものに答えを用意したところから生まれてくるのです。最近、世界中の人々は、理解しようとするよりも判断したがっています。おかげで、騒々しくもばかばかしい確信の声にかき消されて、小説の声がすっかり聴きとりにくくなっています。
2013/09/28
感想・レビューをもっと見る