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英国短篇小説の愉しみ 3

英国短篇小説の愉しみ 3

英国短篇小説の愉しみ 3

作家
西崎憲
出版社
筑摩書房
発売日
1999-04-01
ISBN
9784480831835
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英国短篇小説の愉しみ 3 / 感想・レビュー

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かりさ

幻視を見る世界とはどんなだろう。想像を遥かに超えた奇妙な世界であればあるほど心がざわついて離れられなくなります。アンナ・カヴァン「輝く草地」は多分一生忘れられないくらい強烈な幻想さで、心に深く刻まれた緑の幻想風景。すべての命を破壊し、明るい緑の棺衣で世界のすべてを覆う草地、点在する黒いものの正体、そして闇に抱かれる描写…カヴァンは紛れもなく幻視作家であるのだ、とますます心惹かれ興味を抱く作家です。他仮面舞踏会の夜、スフィンクスの沈黙…奇想あふれる不思議な味わいの短篇集。

2020/01/26

ROOM 237

最近ハマってるディケさんの「殺人大将」とかいう、穏やかではないタイトルに惹かれて。18世紀辺りのイギリス作家陣による怪奇ちっくアンソロジーはキリスト教めいた雰囲気の作品が多い印象で、無知な自分にはちと難解で読めない作品も2篇ほど。ディケさん以外は知らない作家だけど、各人の生い立ち紹介文が親しみ易いエピソードでジワる。ナイジェル.ニールさん「写真」はE.ケアリーさんみたいで他も読んでみたいし、A.カヴァンさんも◎。ほんで最短僅か5頁なのにダントツで面白かったのは「殺人大将」。ディケさん、アンタが大将!

2023/01/02

mejiro

アンナ・カヴァン「輝く草地」、L.P.ハートリー「コティヨン」、アンガス・ウィルスン「ママが救けに」が特におもしろかった。ナイジェル・ニール「写真」は再読。チャールズ・ディケンズ「殺人大将」は大味で、こんな手抜きっぽいものも書いてたのかと意外だった。少し童話のような感じもあった。「コティヨン」はオーソドックスな怪奇譚だが、筋運びが上手くて最後まで目が離せなかった。編者の作家紹介が参考になった。

2016/12/31

paluko

「輝く草地」「殺人大将」「コティヨン」「最後の笑い」「スフィンクスの館」「写真」「ドン・フアンの生涯における一挿話」「ママが救けに」「ユグナンの妻」「世界河」の10篇と、編者による「短篇小説とは何か?」という小論を収録。奇妙な爽快感をおぼえるもの、どうにも理解に苦しむもの、受け入れがたいものなど読後感はさまざま。

2024/06/25

kurumi

3冊ある短編小説集で1番面白いと感じたのはこの本であった。やはりアンナ・カヴァンの描く人間の持つ狂気の一端は非常に惹き込まれ、その後も目を見張る様な状態で読み進める事ができた。短編でどごまで人を惹きつける話が描けるか、 人間の狂気、憎悪、恐怖等を織り交ぜた、各々の作家の腕が光る話は、大変満足のいくものであった。ぜひ、3冊の短編集を通して文学の面白さを感じて欲しいと切に願う。

2021/01/29

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