屋根の上のバイリンガル: ことばの旅行術ニューヨーク~ワルシャワ
屋根の上のバイリンガル: ことばの旅行術ニューヨーク~ワルシャワ / 感想・レビュー
あきあかね
ロシア、ポーランド文学を学ぶ著者がアメリカ留学の体験を交え、言葉を巡る問題を楽しく語る。いかつい商店主にポーランド語で話しかけると、とたんに打ち解けたエピソードを読むと、話者が少ない言葉を学ぶと多くの人とは話せない代わりにより深く交流ができるように感じた。また、東欧のユダヤ人の母語であるイデッシュ語の成り立ちを見ると、異なる言葉同士の出会いにより生じる互いの化学変化、ダイナミズムが興味深い。「これほど互いに違いあっているのに、なんとか理解しあうことができる」という驚きを抱く著者の楽観が希望を感じさせる。
2023/01/12
よしおか のぼる
こういう文章が書けるようになりたい。
2021/12/25
鴨長石
白水uブックスの方が手に入らず、こちらを図書館で借りて読む。異言語・異文化の話は誰に聞いても面白いが、本書は描写力が抜群で素晴らしい。コロナ禍の今、コミュニケーションはすべてオンラインで済むと思っている人や、マスクによって顔の大半を隠すことを何とも思わないような人がこんなにもいるのかと驚愕しているが、本書にある通り、コミュニケーションのうち言語が占める割合はそれほど多くない。どうすればこのことを世間が分かってくれるのかと頭を抱えている。
2020/12/20
ARISO
これはロシア語・ポーランド語を中心としていくつかの言語を話す著者が世界各地で遭遇した言語に関するエピソードを集めた本である。アメリカで講座をとったイディッシュ語(ユダヤ人の言語)、ベルリンで英・独・仏以外にセルビア・クロアチア語の使用説明までついた電話ボックスがあったのに驚いた。 ある場で見事に通訳した女性に「君はすごいねえ、バイリンガルだねえ」と声をかけたら彼女は「はい、そうです」と答えたので憤慨した。日本では「ほめられたら謙遜する」というのが礼儀なので、それを知らなかった女性が失敗したと言う。
2021/10/21
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