スティーヴン・キング: 恐怖の愉しみ
スティーヴン・キング: 恐怖の愉しみ / 感想・レビュー
_Stroszek
1996年11月13日初版第1刷。第一部「スティーブン・キング伝」、第二部「メイン州探訪記」、第三部「キング作品の世界」という構成。90年代半ばまでのキングの全容が分かる。キングに関する先行研究を網羅的に解説し、「ポストモダンな領域侵害的小説作法」(236)について明らかにした第三部は読み応えがあった。第二部において、キングの建てた球場(フィールド・オブ・スクリームズ)で彼に偶然遭遇しテンパった著者に対し、キングが「きみもリトルリーグに入りたいのか?」(178)と聞いたらしいが、ド直球の差別では?
2023/09/29
tenorsox
スティーブン・キングの半生、ゆかりの地訪問記、作品マニアック解説の三部構成。 第一部では、彼の半生を追いながらその人となりを浮き彫りにしつつ、時系列に沿って各作品の内容や見どころ、書かれた背景等が説明されているので、素人(マニア以外の人)はここだけ読めば十分で読みたい本も見つかると思う。逆に二部三部はある程度読み込んでいないと楽しめない話が多そうで、スタンド(一応完全版)とグリーンマイルと幸運の25セント硬貨しか知らない自分は遠慮しておいた。 かなり多作の人なのでのめり込むと大変なことになりそう。
2016/07/24
霧子
後半の作品評はざっと読み。いかにして作家になったか?と、著作リストが読みたくて借りる。キング本はどれもデータが古いから、どこかで、アップトゥデートしたムックでも出してくれないかなあ。藤田新策氏が手がける表紙がすばらしいから、並べて眺めたい。
2013/05/03
c
嘗てオリジナリティがないと揶揄されたキングのコラージュ的作家手法は、いやそれこそが「他の物語の断片」で繋ぎ合わされたゴシックホラーの伝統を継ぐものである、という。「ジョジョ」のルーツを知りたくてキングを読み漁っていて、この手の副読本にも手を伸ばした自分には殊更説得的だ。荒木の過剰な引用癖には、そんな解釈も可能なのだ。丁度「ブギーポップ」に於ける「ジョジョ」のように、キングの作家手法は荒木のそれと切り離せない。意識の有無を問わず、キングのように(絵柄だけではない)マニエリスム的作風になるのは当然なのである。
2013/01/27
ベック
いつまでもキングはぼくの関心を惹きつけてやまない。本書はキングの評伝、メイン州の旅行記、作品論の三部構成。
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