その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。: 古代ローマの大賢人の教え (単行本)
その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。: 古代ローマの大賢人の教え (単行本) / 感想・レビュー
まこみや
要点はとてもシンプルだ。われわれの「権内」と「権外」を適切に区別して、「権外」を気に病むのを止めて、「権内」に注力しようという。まったく正しい賢人の教えだが、実践するのは必ずしも容易ではない。続けて説くことには、「権内」つまり心像を正しく使用する能力は、ただ訓練によってのみ養われると。エピクテトスの考え方を知ってただちに悩みから解放されることはないだろう。しかし悩みや不安が心に兆したとき、彼の言葉を思い出して、その度に、拳拳服膺していくことで悩みの幾分かが解消できればそれに越したことはないだろう。
2021/08/08
ころこ
会話形式で扉絵や空白頁が多く、哲学に圧倒されずに読了し易い本です。誰しも最初から難しい本を読み始めることは出来ないので、それらしい本でありつつ自己啓発的な偽物でない本として有用です。「権内にあるもの」と「権外にあるもの」の区別とは、現代の経営管理にいう管理可能性のことだと言ってしまえば情報量としては皆無に等しい訳ですが、過程の細部の議論に揺すぶられ何かに気付く、固有名に惹かれて無謀にも古い哲学者の本を購入してみるといった、自己啓発本との違いはこのちょっとした変化です。
2020/04/24
kum
今から1900年も前の哲学者エピクテトスの教えを2人の文筆家が対話形式で語る。大事なポイントは「自分の『権内にあるもの』と『権外にあるもの』を区別すること」。自分でコントロールできないことを気に病むのはやめて、どうにかできることに注力する。多くの悩みはそれを混同してしまうことによるもの。現代に照らすと、虚々実々が飛び交う中で真実を見極めることがその区別につながる。もともと表紙がかわいくて気になっていた本。見たら挿画担当は以前本屋titleさんでやっていた個展を覗いたことのある花松あゆみさん。やっぱり好き。
2020/11/19
ま
権内か権外か。つまり、その悩みにまつわる事を自分のコントロール下とそうでないものに切り分けることがまず大事。そして、時代が下るにつれて技術発展に伴い権内にカテゴライズされる事が増えているともいえるし、権内と権外の境界が見えにくくなってるともいえるし、その境界は絶えず動き続けてもいる。それ以外の話はもうひとつ入ってこなかった。
2024/11/05
ばんだねいっぺい
混迷から抜け出すには、選択肢をよろしい方向で絞りこむ必要がある。エピクトテスが言うように権内・権外に分けると選択と集中ができる。
2024/02/25
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