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ダイアン・アーバス作品集

ダイアン・アーバス作品集

ダイアン・アーバス作品集

作家
ダイアン・アーバス
Diane Arbus
伊藤俊治
出版社
筑摩書房
発売日
1992-07-01
ISBN
9784480871831
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ダイアン・アーバス作品集 / 感想・レビュー

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yn1951jp

久しぶりに手に取って、ダイアンの強烈な存在感に改めてショックを受けた。両性具有者、身体障害者、服装倒錯者、双子、小人…被写体とアーバス自身がお互いを認め合うぎりぎりの限界が生んだポートレート。美人もそうだが、外見上のカテゴリー分けは、奥底に潜む真実を隠すための隠れ蓑に過ぎない。彼女はフリークスたちの姿を借りて、自分自身を撮っていた。どのポートレイトからもダイアンの強い視線が、見るものの胸に突き刺さり、見るもの自身の存在を問わずにおかない。彼女は精神を病み、48歳でバスタブでリストカットしたという。

2015/07/28

内島菫

巻頭のダイアン・アーバスの言葉には、驚くほど自分と一致するものがある。例えば、「子供の頃の私は、一度口にしたら、それはもう真実ではなくなってしまうという考えを持っていました。」というもの。私も子供の頃そうだったので、自分なりに真実を守るために(今考えると意味のないことなのだけれど)わざと逆のことを言って人に嫌われたり馬鹿にされたりしていた。創作に対する考え方でも一致する部分がある。「われわれすべてがこのアイデンティティというものを持っています。それは避けることができないものなのです。

2017/01/14

tom

荒木の「私情写真論」にアーバスのことが書いてある。彼女の写真、何がいいのか分からないのだけど、荒木はベスト3に挙げる。ということで、もう一度見てみた。やっぱり分からない。いいなと思うのは養護施設で撮った写真。この写真を撮った直後、アーバスは自死した。荒木は「写真が写真にならなくなった。悪意が入る余地もなくて、騙しもきかない。完全なイノセンス。そういう時間も空間も超えた人にぶつかってアーバスは向こうに行った。ものすごく変な情事の記録だ。激しさ、厳しさがアーバスなんだ」と書く。すごいものを荒木は見ている。

2024/05/07

tom

奈良原一行の「太陽の肖像」を読む。ダイアン・アーバスのセミナー参加したときのことが書いて会って、この本を書棚から取り出す。この写真集、この写真集、フリーク、性的マイノリティ、ヌーディストなどの人たちが登場する。世間の評価は高い。でも、以前に見たときも、今回見たときも、それほどの優れモノなのかと思った(最後に載っている養護施設で撮った数葉を除く)。でも、何回か見直しているうちに、ひょっとしたらすごいのかもと、私の受け止め方が変化していく。ここが面白い。優れた写真というのは、そういうものかもしれない。

2020/07/05

カワハ

キューブリックがオマージュした双子の写真で有名なダイアン・アーバスの作品集。フリークスの方たちを被写体としているものが多い。それも真正面から。この真正面からというのが非常に効果的で、まるで深淵を覗いているかの如くこちらの心も見透かされてるような気になります。"写真そのものよりも写真のなかに写っているものの方がはるかに素晴らしいのです"アーバスのこの言葉はとても優しい良い言葉です。

2019/10/30

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