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どこかにいってしまったものたち

どこかにいってしまったものたち

どこかにいってしまったものたち

作家
クラフト・エヴィング商會
出版社
筑摩書房
発売日
1997-06-01
ISBN
9784480872920
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どこかにいってしまったものたち / 感想・レビュー

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へくとぱすかる

古い活字のかもしだす魅力は「三日月堂」シリーズの先駆けとも言えそう。過去のパッケージだけが残り、中にあるべき製品の実物が現存しない商品、という設定の架空カタログ。レトロ感いっぱいに創作された、ありえない物品のアイディアがすごいだけではなく、実際に箱や包みを、それっぽく作ってしまった努力と技術に頭が下がる。吉田篤弘さん、あるいは長野まゆみさんの小説のイメージにつながっていくなぁ。「硝子蝙蝠」「時間幻灯機」「遡行計」の謎は奥が深そう。「流星シラップソーダ」の流星の味わいは、ぜひ再現して飲んでみたい。

2020/02/21

ひめありす@灯れ松明の火

表紙の○に何を入れたらいいのかしら?はいって?まいって?えもの?きもの?と読むのを楽しみにして、機が熟した土曜日の夜に読みました。確かにちょっと読みにくい所もありますが、祖父母が残してくれた図鑑を眺めているみたいで楽しかったです。流星シラップソーダ、とか、アストロ燈、とかくらあっと来る単語のオンパレードでした。所で、クラフトエヴィング商會と言えば吉田ご夫妻。のイメージですが、当時は違う方もいらしたみたい。その方は何処へ行ってしまったのか。これもかつてあったけれど、今はもう無い。取扱商品の一部かもしれません

2014/09/30

ユメ

一筋の流れ星を追いかけて来たら、精緻な扉絵を捲り、クラフト・エヴィング商會に辿り着いた。珍しいものばかりが並ぶ棚に目を輝かせていたら、そっと差し出された不在目録。クラフト・エヴィング商會の作品には「観る」という言葉がよく似合う。少しも見落とさないようにと堪能する贅沢な時間。この時、店内の時間ははたして未来へ流れているのだろうか…?私には、ゆっくりと回転しているように思える。追いかけて来た流星はシラップソーダのグラスの中に飛び込んで、シュワっと小粋に消えたのだが、今宵も確かに星を一つ賣ってもらったのだった。

2014/11/23

めしいらず

この本に漂うのは、ロマンというより「浪漫」。明治、大正、昭和初期、それぞれの時代のレトロが香る、実際にあったら素敵な架空の商品群。チラシやパッケージ、説明書など、ディテールへの偏執狂的こだわり。言葉選び、旧漢字、書体、旧仮名遣い、色褪せた紙の質感。ここまで徹底すると、もはや職人芸の域。「七色李酒」「アストロ燈」「水蜜桃調査猿」「全記憶再生装置」「空中寝台」など、なんたる魅惑。ボクらは溢れかえる光で以て闇を駆逐してきたように、科学や現実主義を振りかざして豊かなイマジネーションをも手放してしまったようだ。

2013/10/26

たー

良いなぁ。ない物を探すクラフト・エヴィング商會の原点ですね。

2014/05/19

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