漫画家入門 (単行本)
漫画家入門 (単行本) / 感想・レビュー
いっち
漫画家になるためのノウハウ本ではない。漫画家の日常を記したエッセイ。では、なぜタイトルが「漫画家入門」なのか。日常が大半だが、漫画業界への言及もある。漫画家になる方法でなく、「漫画家として生きる現実」が書かれている。その現実を知ることが、入門なのかもしれない。例えば、「本当に漫画市場を必要としているのは出版社と漫画家自身なのかもしれない」と漫画家が言う。漫画を読まなくても人は死なない。浅野さんでさえ、描いたものを疑い、「自死が頭をもたげるようになる」ほど思い悩む。表現を仕事にする、難しさや厳しさを知った。
2020/11/30
小鈴
不思議だな。『澪落』では落ちぶれた主人公が鼻について浅野いにおが嫌いになったのに日記形式のエッセイでは好きになった(笑)。著者のこの感じが嫌いじゃない。絵だと鼻につくのに文だと好感がもてる。不思議な体験をした。社会と接点のない著者とスタッフ、猫との濃くもないほどよい距離感。 時々、彼女/妻との間で感情が動く半径3メートルの世界がだるくて心地いい。旅でもすればつげ義春的な世界になりそうだが、いにおはどこへも行かない。時がただ過ぎていくだけだ。天気が悪くどこへも行けない日に読むのにオススメのエッセイ。
2019/11/14
江藤 はるは
文章がお上手! あらゆる出来事は半径3メートル以内に転がっている。 あの人が言ってたそんな言葉をふと思い出した。
2019/09/23
みのにゃー
内容は漫画家になるための話ではなく、日記なのでした。浅野さんが人気の漫画家でなければ、なんて生きる気力の無い人だと思うところ。これでバランスとってんのかな。周りの人との関係が、一般的なところで非常識なのがいい。作品はあまり読んだことない(読んだ作品は自分の好みではなかった)けど、また読んでみたい。
2020/08/20
夢の終わり
面白い漫画を描く方は文章も上手いのかも…と感じた淡々と進むエッセイ。スタッフのゆかちゃんの方が浅野さんの再婚相手とその息子さんよりもよっぽど家族っぽくて、いいのかなと思ったがだからといってどうしようもないのもよく解る感じ。表紙や挿絵がまた内容と合っていた。全編にうっすら漂うどこか不穏な雰囲気が読んでて心地よかったです。
2020/02/23
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