新 新装版 トポスの知 〔箱庭療法〕の世界
新 新装版 トポスの知 〔箱庭療法〕の世界 / 感想・レビュー
roughfractus02
ユング派のD・M・カルフの箱庭療法には、クライエントを自主的に個性化や自己実現に促す効果が確認されていた。箱庭を作ることは見ること自体も言語的意識から非言語的無意識へシフトする機会とされたが、そこにはまだ西洋の伝統的な象徴解釈の枠があった。対話者である中村は、カルフの象徴解釈の枠を外し、独自の箱庭療法を日本で展開する河合の方法に、見たままを記述する現象学との類似性を認める一方で、言語を合理性に従属させる近代の空間の扱いを都市のあり方に見る。対話は、無意識も含めた全体を「味わう」トポスの知の構想へと向かう。
2023/01/31
☆ツイテル☆
フライヤー
2021/12/13
kungyangyi
電子書籍読み上げで読んだので、箱庭の写真は見ないまま、音だけ聞いた。/トポスについては『紫マンダラ』に出てきて面白そうだったので、もっと知りたいと思っていたが、中村雄二郎さんとの話では、都市論や科学論との関連が多く、あまり興味を深められなかった。/分からない話も多かったが、箱庭療法が、実証科学と異なる、ユング派心理学で言えば、意識と無意識の統合あるいは自己実現に関わっているという点は理解できたように思う。
2020/09/29
みーあ
★2 河合隼雄氏の名前に惹かれて図書館本。が、共著の中村雄二郎氏の話がほとんど頭に入ってず、字面を追うだけとなった。付箋箇所は1か所。ブラジルの首都としてブラジリアという人工都市をつくったところ、ぜんぜん住む人がいなくて、郊外にあるバラックのようなところに皆住んでしまった例を引き合いに出し、都市とか町とかで何よりも重要なのは、そのまに住んでいる『人間の住み心地』の問題という箇所。ただ役に立つというのではない、もう少し愉しむこともできるし、われわれの生きる糧となるような。何気なく通りかかる建物の高さとか、
2023/04/11
しょうゆ
15年ぶりくらいの再読。当然見てきたものが全く当時と違うので感想はあっけないほどに全然違う。違って当然ではあるものの、15年と言う歳月で自分以上に世界も変わってしまった。科学の知の話は、この2020年、さらに先の世界ではどう読まれるのだろう。箱庭の魅力も然り。そして、河合隼雄の言葉や独特の言い回しは健在で、中村雄二郎とのラリーは本当に面白い。なんか時間を忘れてその循環に再三引き込まれていった。
2020/04/20
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