マイレア邸/アルヴァー・アールト (ヘヴンリーハウス-20世紀名作住宅をめぐる旅 4)
マイレア邸/アルヴァー・アールト (ヘヴンリーハウス-20世紀名作住宅をめぐる旅 4) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
この巻はマイレア邸である。所在地はフィンランド西部の港町ボリからさらに20分くらい(車で)離れた、森の小高い丘の上に建っている。敷地はそうとうに広い。設計は20世紀を代表する建築家の一人であるアルヴァー・アールト。本書では設計のためのスケッチを多数収録していて、プランの推移を知ることができる。外観はコンクリートに木を多用するもので、そうしたところはフィンランドらしいかと思う。室内はもちろん、木がふんだんに用いられている。なお、随所に日本建築からの発想も取り入れられているようだ。
2024/09/12
nbhd
フィンランドのすてきな邸宅を見れば見るほど、最近知った日本の建築家・篠原一男の「すまいというのは広ければ広いほどよい」という言葉がつよく響いてくる。シンプルな言葉だけど、建築本を読んでいると「まぁそうだよなぁ」と響き直すことしばしば。広さが可能にする建築や空間があって、東京あたりでは、お金持ちでないかぎり、それはかなりむずかしい。ってことだから、限られた空間を広く見せる建築家が台頭したり、狭くてもインテリアで空間を「わたし化」したり、といった状況になっている。「すまいというのは広ければ広いほどよい」なぁ。
2017/09/27
アキヅキ
マイレア邸を中心にアールトの住宅について掘り下げた一冊。 本著では、引き算から足し算へのデザイン転換期の作品としてマイレア邸を位置付けている。 A・Aシステム(規格化住宅)の記載が興味深かった。
RingWondeRing
p054 「人間の住む住宅はいつでも変わりゆく自然の形態に基づくべきであり、規格化は科学・技術に基づくのではなく、自然に基づくべきだ」ごもっとも。何となく「良いな」と思っていたアールト。この本一冊でわかった気になる。用語解説も充実、巻末の「20世紀建築家の流れ」も面白い。Artekの家具って日本の家を北欧モダン風にするというか両者を馴染ませるのによさそうと思ってたら、マイレア邸には日本の建築の影響を受けた部分があるもんな。本家がやってるんだから、日本の家にArtekは馴染むに決まってるかあ、と妙に納得。
2015/05/26
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