幸・不幸の分かれ道 考え違いとユーモア
幸・不幸の分かれ道 考え違いとユーモア / 感想・レビュー
ちさと
本書はユーモアエッセイではない。哲学書でもない。まして領収書でも始末書でもない。ユーモア哲学書とでも言えばいいのでしょうか。土屋先生は、人は考え方次第で自分を幸せにも不幸にもできてしまうという。どんな価値観を採用するか、無限の側面のある人生のどこを取り出して描写するかで決まる。それから不幸を乗り越える何より有効な方法は「笑い」であると説きます。「意見の相違の調整」についての話も興味深かった。土屋先生の普段の疑い深く自虐的な性格が、本書でしっかりと説明されています。
2019/01/19
thee birdmen
不幸だとか、恥ずかしいだとか、そういう感情を募らせて殻に閉じこもるくらいなら笑い飛ばせばいいと説く本。 読み終えて一番面白いのは最後の著者自己紹介の文章だった。フリオチ上手く効いていて、こういうの嫌いじゃないです。 咄嗟にしてしまう失敗に対してユーモアで切り返すのは、すごく高等テクニックに感る一方、過去の失敗なら咀嚼して面白く組み立て直すのは案外俺出来てる方なんじゃないか、と思う。
2019/05/09
亀太郎
笑い、ユーモアは、ものの見方を変えることができる人間の自由の上に成り立っている。
2012/05/22
tetsu
★4 笑えるエッセイで有名な土屋先生、今回は哲学の本です。 とはいうものの専門書ではなく日常問題をとてもわかりやすく得意の自虐ネタを交えたユーモアをちりばめ、面白く解説していて、さくっと読めます。 同じ職場に土屋賢二が教授をしていたお茶の水女子大出身の子がいて、知ってる?と聞いたところ、「1年のとき講義を受けたことがあります」とのこと。 なかなか人気の講義だったらしく、いつも盛況で、奥さんはともかく、女子大生にはそこそこいけていたらしいですよ、土屋先生。
2014/12/19
空猫
再読。比較的高緯度だから日照時間が短く,その上薄曇りの日と霧の出る日が多い鬱々とした気候のイギリスに住む人たちが「深刻な事態に置かれた暗い自分の状況を敢えて笑うことで肩の荷を軽くする」ための武器がユーモアなのだとしたら,これは是非身につけたいものだと思う。自嘲気味に何かを呟いたところで現状は変わりはしないのだけれど,目を背けたいはずのものを正しく視界に捉えた上で,その闇に飲み込まれない位置にいるということは素晴らしいことだ。
2017/01/18
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