小説 日蓮〈上〉
小説 日蓮〈上〉 / 感想・レビュー
Akihiro Nishio
小説で、作者はバラバラだが最澄、空海、親鸞と読み進めて日蓮へ。妥協なく信じる道を突き進む性格だからか、念仏衆の大工を語り部に進行するのだが、語り部が見た夢からはじまり、恋や結婚、仕事仲間との関係などを長々と書くため、日蓮がなかなか出てこない。日蓮が敵にする念仏衆から見た姿は、物語の構成上有効だと思うが、いくらなんでも日蓮が出てこなさ過ぎじゃないですかね?しかも、日蓮があまり説明しない性格なのか、何を考えているかわからない。日蓮の偉大さについては、語り部から気配が常人ではないと繰り返されるのみ。
2015/11/08
がんぞ
日蓮は鎌倉時代スタート同時の1222年誕生。鎌倉仏教唯一、東国&漁民出身。小説に向いているキャラだが類書と一線を画し「ほとんど説明しない」教義論争ないので非常に読みやすい。「訴訟訴状の代書屋のようなことをやっていた」など最新の研究成果も取り入れられている。北条時頼との対話の場面を設定したのは「やりすぎ」と思うがマスコミニュケーション手段がない時代には《世論形成にはトップから》説得するのが当然なのかも知れない。政権の不安定、天災もさることながら侵略の危機が‥小説的には色気、女子キャラが不可欠だが、後巻に期待
2016/04/26
悠里
真正面から日蓮を書いたものではなく、現代的な感覚から日蓮に接する人々を描き物語にしている。 実は宗教色は薄い。念仏に対抗する精進行としての題目すら出てこない。 日蓮の物語としては新しいのでしょうが…うーん、ちょっと日蓮とは思えない。
2013/11/28
rivaner
島田裕巳の初の小説、しかも日蓮だというので読んでみたけど・・・うーむ。なぜこの本を書こうと思ったのか、ちょっとだけ疑問が。
2013/02/16
Splash
法然・親鸞は、一部の経典のみを絶対視し、念仏をあげねば来世は地獄に落ちるところ脅して、信徒を増やした。日蓮の教えは、激烈で戦闘的。大地震、蒙古来襲で不安に支配された鎌倉時代中後期は、宗教にすがらずにはいられない暗い時代だったのだろう。
2015/12/05
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