怪奇文学大山脈(3) (西洋近代名作選 諸雑誌氾濫篇)
怪奇文学大山脈(3) (西洋近代名作選 諸雑誌氾濫篇) / 感想・レビュー
ヴェルナーの日記
本書は”デ・ラ・メア”の『遅参の客』を読むために手に取ったので残りの作品は、ぶっちゃけ読まなくてもよかったのだが、せっかく手に取ったわけだし、あの”博学の王”荒俣宏氏によって監修された1冊なので全作品読むことにした。さすがに20世紀初頭を飾る”怪奇小説”の短編なので、それまでのゴシック調の怪談小説とは違い、様々な新たなる指向を試みた実験的な作品もあって結構面白かった。怪談と怪奇小説の違いは、前者は心霊現象が主な物語が題材となるが、後者は怪異(現実ではありえない事象や、超自然的な事象)を題材した物語である。
2017/07/07
KAZOO
三部作の最後の本で、思いっきりグロテスクな作品を選んだとのことです。荒俣先生のまえがきと作品解説だけでも読む価値がある本だと思います。作品よりも今回はそちらの方を主体に読みました。やはり作品自体は今までにあまりアンソロジーなどに含まれていないものが多いように感じました。それぞれの作品の最初にある挿絵などが結構怖い感じがします。
2015/07/27
HANA
怪奇小説アンソロジー三巻目。今回はドイツ怪奇小説からフランスのグラン・ギニョル、そしてアメリカのパルプマガジンまで収録されている。個人的な趣味としてはパルプマガジンの作品も嫌いじゃないけど、前の二つの方が好きかなあ。傑作揃いの本巻の中でも一頭抜きん出ているのはやはりというかマイリンク。「蝋人形小屋」は再読だが、いつ読んでも薄気味悪さにぞっとさせられる。それにシュトローブルやルヴェル、グラン・ギニョルの諸作品が後に続く……。いや兎に角読み終えるのが勿体なくて勿体なくて堪らないのは久しぶりの体験であった。
2015/01/08
トムトム
分厚い短編集ですが、全部の話が怖くて面白くて大満足です!その昔パリにあった劇場、グラン・ギニョル。そこでは性・暴力・残虐など後味の悪い戯曲が夜な夜な上演されていたそうな。という訳でエログロスプラッタはグランギニョル的と言われていました。この本もグランギニョル風の作品が揃っています。それらに影響を受けたスティーブンキングさん。現在ではエログロスプラッタはキング的と呼ばれています。ホラーに歴史あり!
2021/03/07
かわうそ
大衆向けのパルプマガジンなどから世に埋もれた作品を紹介するという趣旨のため質としては物足りないところもあるけれど、大量の作品を書き飛ばす中で培われた職人技を堪能する感じでけっこう楽しい。合計150ページにも及ぶ荒俣さんの「まえがき」「作品紹介」もこちらが本体と言っても過言ではない充実ぶり。
2015/04/25
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