愛の裏側は闇 (1)
愛の裏側は闇 (1) / 感想・レビュー
伊之助
舞台は20世紀前半のシリア。ある時は血を見るほどにいがみ合う二つの一族。いがみ合いの根が曖昧になっても憎しみだけは代がかわっても受け継がれる。そんな両家の若い男女が恋に落ちた。物語は、このいがみ合いと恋を軸に展開。一族の人々はもちろん脇役まで、名前付きの登場人物が何と多いことか。そんな人々がドキュメントのように、混沌としたアラブに生きる生々しい人間として描かれている。なぜか懐かしいオリエントの香りが充満。短い章立てが読みやすい。
2015/04/18
Reiko
シリア版ロミオとジュリエット。それに国の様々な事情…宗教や民族、政治などが絡んだお話。1巻は大河ドラマの序章。登場人物紹介という感じ。文化差もあり共感しにくいところも多いし、登場人物も多いので何度も家系図を確認しながら読んだので、話の筋を追うだけになってしまった。とは言うものの、これからどう展開していくのか、そしてすっかり忘れてたけど最初に出て来る殺人事件はどうなるのか、気になります。
2014/09/18
かもめ通信
亡命シリア人作家がドイツ語で書いたシリアの100年物語。登場人物は多いし、対立する勢力間はもちろん、夫婦間、親子間の暴力的シーンも多い。おまけにエピソードは年代を追っても、家系を追っても、人物を追ってもおらず、次ぎにくるのが誰の物語か、前述の出来事とどのような関係にあるのか、順序立てた説明はないので、読みながら冒頭の家系図と照らし合わせてジグゾーパズルのように自分で再構成していく必要がある……と、すごく頭を使う疲れる読書になったが、それでも早く続きが読みたいと思ってしまう面白さなのだから……困ったものだ。
2014/09/22
わたなべよしお
マキューアンの新作とどちらにしようか迷ったけど、これはこれで大正解だった。語り口がなかなかよくて、とても面白い。登場人物も多いが、系図がかなり助けになった。同じキリスト教徒同士の憎しみはやや理解が必要だったけど、傑作の予感。ⅡとⅢもじっくり読みたいと思う。
2014/11/25
おふろ
本を読んで知らない世界の事のそのほんの1部について考える。世界は広い。でもこの地球で生きている人々にどんな違いがあるというのか、憎しみと恐怖だけが支配する世界が無くなりますように。
2015/01/28
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