摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ) / 感想・レビュー
えみ
ミステリアスな摩天楼怪奇事件に魅せられて、物語が終わってしまう虚無感に抗いながら頁を捲るのは忍耐力が必要だった。ただ読了するには惜しい、とにかく誰かとこの事件の全容を語り合いたくなる。ありとあらゆる謎が解明されていく最終章で無機質だった高層建築が「摩天楼」という呼び名に相応しい存在に至る瞬間に立ち会える喜び、分かってもらえるだろうか。かの有名な『オペラ座の怪人』の怪奇ロマンをストーリーに含みながらも、マンハッタンの歴史構造物を中心に奇々怪々な難事件が御手洗潔を挑発する。コロンビア大学助教授・御手洗の事件!
2021/11/23
RIN
600頁の長大作ながら飽きさせないダレない過不足ない中身の濃い逸品。御手洗潔が探偵ではなくコロンビア大学助教授時代=60年代の話。しかし事件はその50年前。地理的にはセントラルパーク界隈のごく狭い範囲ながら、時空を超えた推理、多重的な背景、絡み合う人間模様等々、読みどころ満載。2005年の作品だが時代が古い時代の話なので無問題。久々にクラシカルな本格ミステリを堪能した。おススメ。
2019/03/06
ちどり
老大女優サリナスは死に際に過去の告白をする。‘怪人ファントム’が不思議な力を使い、自分にとっての邪魔者を次々抹殺してくれた為 今この大女優の地位があると。そして、自分も殺人を犯したと…34階から1階まで一瞬で移動し射殺をした…だけど、自分でもどんなトリックを使って殺人を行えたか解らない あなたに解けるかしらと、若き助教授御手洗に挑戦をする。他にも、摩天楼の窓が一瞬にして爆破したり 若い女性達の自殺 摩天楼に現れる怪人と謎の数々。p466はかっこいいので必須!
2014/12/30
春
楽しく読了。ただ途中から「キヨシ」って呼び方で、某演歌歌手(ズンドコ節の方)が脳裏によぎってしまい、微妙な気分に。できれば「キヨシ」ではなく「ミタライ」でお願いしたいなぁ、個人的に。
2013/01/24
朱
ニユーヨークマンハッタン、高級マンションを舞台にした連続殺人に若き日の御手洗が挑む。神出鬼没で現れる怪人、地下の謎の集団、ロマンチツク過ぎる動機の犯人でしたが奇想天外な島田ワールドを充分堪能しました。ラストを締め括る御手洗さんの粋なセリフもいいね👍面白かったです♪
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