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この世の涯てまで、よろしく

この世の涯てまで、よろしく

この世の涯てまで、よろしく

作家
フレドゥン・キアンプール
酒寄進一
出版社
東京創元社
発売日
2011-05-11
ISBN
9784488013356
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この世の涯てまで、よろしく / 感想・レビュー

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りつこ

独特のノリがある小説だった。主人公がピアニストの幽霊だから?ナチスの時代さえも軽薄にひょいひょいと生き抜いてしまうような人間だったから?ふわふわと不思議な軽さがあって、面白い。唐突な終わり方さえも、軽薄幽霊に煙に巻かれたようで、気持ちいい。

2011/11/26

しょこら★

ピアノ、ナチス・ドイツ、反ユダヤ、戦争、亡命。音楽や歴史について無知なので、きっと半分も楽しめてないと思う。でも知らないはずなのに、ピアノの音色が頭に流れて。それくらい、音楽についての表現が詳細で秀逸だった。アルトゥアやアンドレイ、ミリアム、それぞれの苦悩も、ひしひしと感じられて切ないし、怖いし…。 現代を駆け抜ける幽霊、霧が晴れるように蘇る過去、唐突に明かされる真実、テレビの電源を切ったような終わり方、スピード感が良かった。

2011/08/25

桜子

世にも奇妙な物語ふうな現代パートとナチの迫害を逃れたふたりの若いピアニストの行く末を辿る過去パートが平行に語られる。心霊現象に関するでたらめな設定にナニソレ?と首をかしげつつキアンプール規定と思ってやり過ごしたほうが楽しめると判断して先を急いだ。とにかく甦った死者の未来と過去が気になって仕方がないため、サクサク読めた。ラストは唐突すぎてもう終わり?という感じ。後日談でもつけて欲しいところだが、感傷的になるのはたぶん著者の主義に反するのだろう。読後、東欧ユダヤ人について詳しく知りたいと思った。CDも欲しい。

2011/05/16

猫のゆり

突然五十年後に甦ったピアニストと、変人揃いの現代の音楽大生たちとの交流を中心として、彼と謎の「怪人」との過去の因縁が徐々に明らかにされていく過程をミステリアスに描いた作品。音楽家というか芸術家の気概(と凡人が言うのは軽すぎるような)が物語の根幹をなしていて圧倒された。幽体離脱の仕方も面白かった。現代と過去が交互に描かれるパートではページを繰る手が止まらなかった。ラストは少しあっけないが、あえて余韻を残さない手法なのかなと思ったり・・。今まで読んだどんな小説とも違う感触を覚えて、とても楽しい読書でした。

2011/06/15

むらさきめがね

雰囲気がめちゃくちゃ好み。こちらの方が大分ライトですが、佐藤亜紀とか好きな人はたぶん気に入ると思う。ラストは唐突な終わり方で消化不良というか取り残された感がちょっと残念…もう少し長く読んでいたかったんですが。それでも楽しめました。

2015/12/19

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