ねじまき男と機械の心〈下〉 (大英帝国蒸気奇譚2) (創元海外SF叢書)
ねじまき男と機械の心〈下〉 (大英帝国蒸気奇譚2) (創元海外SF叢書) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
一発百中で毒牙一発なサボテン銃、蒸気圧が全体に一定に行き渡らないとエンスト気味に動いちゃう蒸気百足など、科学好きの心をときめかせるアイテムにワクワクします^^それにしても本当に英国人はゾンビ好きだなぁッ!オネスティ警部がゾンビの脳漿をぶちまけて倒している最中、「いい腐葉土だな・・・。生きて帰ったら素敵な庭を作りたいな・・・」って思う所にスプラッタな場面なのに笑ってしまいました。そしてアーサー・コナン・ドイルの父親も登場しましたが死んでからの言い分にFate/Zeroのセイバーを思い出してイラッとしました。
2015/09/25
すけきよ
【承前】今作はそれに輪をかけ、〈ナーガの目〉という絶大な力を秘めた宝石まで登場。ますます、「実在しないじゃん……」とうつろな目に。ところが!これを引っこ抜いちゃうと、この物語世界が崩壊してしまう。これがあるからこそ、歴史は歪んでしまうんだけど、それでありえない技術あるのかも、と拡大解釈が可能。『バネ足ジャック』の終盤同様、物語の基盤が時間SFになっているところが、他のスチームパンク作品と一線を画している。歪みはどんどん増し、バートンは元の世界に戻せるか? というのがシリーズの肝になっていくのかな。
2016/01/15
スターライト
機械人間の登場と宝石強奪事件、貴族の跡継ぎ問題に降霊会…これだけ広げた風呂敷が最後にはきちんとおさめるホダーの手腕はすごい。スチームパンクはあくまで舞台を盛り上げるガジェットでしかなく、改変歴史SFであり時間SFであるところがキモ。そしてちゃんと次作へとつながるように結末をつけるなんて、にくい。巻末の補遺が実際の歴史に基づいた説明があるので、こちらを参照しながら読むのが吉。解説によればこの三部作は、設定を一新してシリーズは続いているという。それらも訳されることを願う。
2016/02/13
ろびん
これだからロシアは。
2019/04/12
郷里
幽霊や動く死体に翻弄されつつも、最終的に歴史改変の陰謀に辿りつくところがこの作品の個性だな。あくまでも時間SF。上巻に比べるとオカルト・ホラー色が強く、猟奇的な描写も増えた。特に「ロンドン炎上」の章は完全にゾンビ映画。カニバリズム苦手な人は要注意。コメディタッチな場面もちゃんとあり、ストーリーの面白さは変わらない。伏線の回収っぷりが心地よく、特にスペンサーのアレコレには「やられた!」と思った。バートンとブラヴァツキーの脳内対決、機械工学で心霊を打ち破る展開に燃えた。
2015/10/13
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