探偵小説論 2 (Key Library)
探偵小説論 2 (Key Library) / 感想・レビュー
蛭子戎
普段あまり読まないミステリーのブックガイドにと思ったけど読んだことない本ばかりの批評文を読むのは外国語を読むようなものだったしかしそのなかでもまあなんとか楽しく読めたので良かったです。
2016/07/03
風見鶏
卒論の参考文献。この頃の笠井氏と今の笠井氏は変わらない意見を持っているのだろうか。オウム教団の中核メンバーと同世代であるから~だ、と断じられる綾辻行人氏。東浩紀氏の「何でも世代論になっちゃう」がそのまま当てはまる瑕なのかなと思う。世代論で語れる時代は終わった気がするよ。
2014/12/18
縛の場
形式化の極限→自壊という本格探偵小説の構造を理論的に説明している。「大量死(=大量生)」論がやや多め。冒険小説の章は未読の作品が多いのでさほど興味を惹かれなかった。『十角館~』『密閉教室』『殺戮にいたる病』『生ける屍の死』『姑獲鳥の夏』『鉄鼠の檻』評論が面白い。コードの徹底化と逸脱、社会的な問題の発見はなるほど、と。探偵小説の無底性、作者の恣意性の問題辺りが最も興味を惹かれた。ただ誤植が多い。『殺戮という病』とか麻耶の第三作『亜』とか。『亜愛一郎』かと一瞬思った……。
2016/12/29
おちこち
再読。探偵小説の拡散と浸透により社会派と冒険小説に変貌した後、幻影城及び「第三の波」によって再び本格ミステリが多く世にでることになったが、Ⅰで言及されていた時代の作品よりはかなり質が異なっていることが論じられている。「新本格」論として面白い分析が書かれているが、それ以前の「冬の時代」を知るためにもいい論考だと思う。後期クイーン的問題が論じられているが、同時に解決策も書かれていることはもっと触れられてもいいのではないか。
2013/02/19
wm_09
笠井のミステリ論、新本格編。「大戦間探偵小説」から改めて論を起こしてくれるのでこの本だけでも理論の大枠は充分に分かる。読者として身体で感じたこととは食い違うところもあるが、詳細に亘る分析が熱い。『密閉教室』や『生ける屍の死』についての辺りは圧巻。(稲)
2010/06/05
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