SF奇書天外 (Key Library)
SF奇書天外 (Key Library) / 感想・レビュー
いちろく
オリジナル版が古書価格で20万とも40万とも言われる「発酵人間」の紹介から始まりですよ!?時の流れの中で淘汰されほぼ消えてしまったと思われるSFの奇書・珍本を紹介した本。SFマガジンで5年間掲載された内容を過筆訂正したモノ。図書館の蔵書は考えられず注目を集めずほぼ残っていないという意味で多くにプレミア価格がついており、手に入れ難い本ばかり。それでも、ネタ以外の意味で読んでみたいと思えない所が、逆に魅力に感じてしまう。クダラナイ、と思いつつ紹介の内容だけでクスクス笑えてしまうのはずるい。
2018/04/24
スターライト
戦後出版されたSF奇書を、年代ごとにまとめて紹介したもの。SFの定義をかなり広くとってあるので、SF濃度が濃いものはあまりない。しかしこうした本の影響で、古書価が上がったりするのだから、本の存在をすることができる分には良いが、入手したい人には痛し痒しかも。「思いこみは禁物」という著者の指摘には、うなずける。
2014/01/27
Sleipnirie
終戦の頃から60・70・80年代そして90年代、日本に現れた珍しくてヘンテコすぎるSF小説を楽しくツッコミを入れたり、作者・出版社・入手経緯を語ったり。第2次大戦後の影響や朝鮮戦争、冷戦などの世界情勢が見えるもの、種類の多いポルノSF(膣‐機械装置[マン‐マシンシステム]というパワーワード)、オカルト・スピリチュアルなもの、意外な人間が書いてる(西村京太郎SF、デビュー前の菊地秀行の翻訳など)、その他いろいろ。知る人ぞ知るあの『発酵人間』の作者って、いろんなペンネームを持ってるのね。
2017/03/18
保山ひャン
戦後、二十世紀の日本のSF奇書を紹介した本。ミステリや幻想文学、ポルノなども含めて、無茶苦茶な本が山ほど。本屋にもなく、ブックオフでもめったになく、ましてや電子書籍では絶対にお目にかかれない本の数々に目が眩みそうになる。古本屋を巡って買うしかないのだが、こうした奇書を一日中読んでいられる図書館でもあれば、日参するのに、と思った。
2017/10/31
おっとっと星
変わった本がたくさん紹介されていて、…いわゆる「珍味」かな。そのジャンルを食べ尽くした人に、「こういう珍しいものもありますよ」っつって、紹介していく本。著者の才能や博識は愚か、やる気すらあまり感じられない本だが、気合が入ってなくて親しみやすいっちゃ親しみやすいし、著者が苦労しながら読んだ本の数を思うとエライと思う。
2012/08/10
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