本格ミステリ・フラッシュバック
本格ミステリ・フラッシュバック / 感想・レビュー
ばりぼー
松本清張の活躍から綾辻行人の登場までの約30年間(1957-1987)は、社会派の隆盛により本格ミステリ不遇の時代と言われていますが、この時期の記念碑的傑作、埋もれてしまった幻の名作などを紹介したブックガイド。およそ140人、450の作品が取り上げられていますが、自分の若い頃の読書体験とも重なるため、懐かしい作品がずらりと並んでいます。解説も(やや過大評価な面があるものの)親切丁寧で、またまた読みたい本が大量に増えてしまいました。図書館本ですが、これは是非購入して、手元に置いておきたい貴重な資料ですね。
2014/02/16
山田太郎
隠れた名作というのもなかなかないものだと思わないではないですが。松本清張後綾辻行人前で歴史になるからすごいもんだと。島田荘司はすごすぎて、ペンペン草も生えなかったのかと。結構アマゾンで買う参考になりました。ブックオフじゃあんまり見つかりません。
2020/03/25
Tetchy
清張以後=綾辻以前の期間1957年から1987年までに発表された本格ミステリの秀作を作家と共に一冊に纏めたのが本書。今となってはその作品が手に入りにくい作家、全ての作品が絶版となっている作家、今なお書店の棚に全ての作品が並べられている作家、忘れ去られている作家、新たなミステリ読者には知られていない作家など様々である。日本のミステリ史の資料だけでなく、なにより洪水の如く生み出される出版物の荒波の中に葬り去られるには惜しい隠れた名作を思い出させるためにも実に貴重な1冊だ。
2011/02/27
キートン
松本清張の登場から、綾辻行人の『十角館の殺人』まで、社会派の台頭によって不遇の時代を過ごすことになった本格ミステリというジャンル。そんな不遇の時代に発表された本格ミステリというジャンルに当てはまる作品を紹介する1冊。 横溝・高木といった古典的名作に、西村京太郎や赤川次郎といったメジャーな作品、そして比較的あまり目にすることの無いマイナーな作品まで、数多くの作品が紹介されている。 松本から綾辻までの時代を本格ミステリ不遇の時代と称されているが、こうやってみると本格ミステリは細々とではあるが生き延びており、
2022/08/14
いちはじめ
清張以後綾辻以前の本格ミステリブックガイドという切り口は斬新。ただ、そのために清張以前にデビューしているので初期代表作がごっそり抜ける、綾辻以後も活発に活動していて代表作が抜ける、本格中心のため作者の持ち味をもっとも発揮した作品が採り上げられないなどの難点もあるので注意が必要。あと、こういうスタンスの本ならば、書名索引だけではなく年表もつけて欲しかったと思う。また、仁木悦子の没年など、誤記も見受けられるのは残念。とはいえ、大変な労作であり、貴重な資料なのは間違いないところだ。
2009/01/09
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