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セカイからもっと近くに (現実から切り離された文学の諸問題) (キー・ライブラリー)

セカイからもっと近くに (現実から切り離された文学の諸問題) (キー・ライブラリー)

セカイからもっと近くに (現実から切り離された文学の諸問題) (キー・ライブラリー)

作家
東浩紀
出版社
東京創元社
発売日
2013-12-12
ISBN
9784488015367
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セカイからもっと近くに (現実から切り離された文学の諸問題) (キー・ライブラリー) / 感想・レビュー

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k5

さすがは東浩紀と言うべきか、ラカンを援用したセカイ系の構造化や、新井素子、法月綸太郎、押井守、小松左京という対象の選び方、または「キャラクター」の定義など刺激的な部分はあり、宇野常寛を読んだ時のような、このテキストを有料で読むのか、という切なさは感じずに済むのですが、それでも各作品の評論については、読メの当たりの感想に及ばないなあ、というのが正直なところです。本文にもありますが、現代における文芸評論の難しさということなのかもですね。

2020/02/23

みのくま

本書を読むために新井素子、法月綸太郎、押井守、小松左京の作品群に触れてきた。内容は総じて鮮やかに彼ら巨星を繋ぎ合わせるものとなっている。「セカイ系の困難=政治と文学の分離」にキャラクターで、恋愛で、ループで、そして未来で抗ったこの4名の作家達は、著者の手にかかればさも必然だったかと思ってしまう。しかし著者は冒頭にしっかり断りを入れており、あくまでこの4名を選んだのは恣意的であると言う。つまりこの4名の作家が持つ共通項はフィクションに他ならない。無から有を生み出すこの批評の力は、間違いなく創作の一つだろう。

2018/08/08

kiho

こういう読み解き方があるのかと、4人の作家の新たな一面を見た感じ…社会との乖離には時代的な理由が大きいのかもしれないが、それをどう作品で昇華させるか…個々に違うところが面白い☆セカイ系という括りも、ようやく大枠がつかめました。

2014/09/22

なつのおすすめあにめ

新井素子、法月綸太郎、押井守、小松左京ら四人の作家からセカイ系を論じた本。セカイ系を知っていると違和感があるのは法月綸太郎と小松左京で、ミステリ作家と社会派SF作家のイメージがある。新井素子もライトノベルのご先祖様的存在のSF作家のイメージで、押井守がセカイ系に一番近いイメージなのでむしろ浮いてる。一人だけアニメ監督だし。「現実から切り離された文学」がセカイ系の言い換えなら村上春樹もいてもいい(し、小松左京の女性描写と村上春樹の女性描写の問題が重なりそう)。2013年の本なので『君の名は。』はまだないか。

2024/05/15

もっち

セカイ系的想像力の時代、つまり社会を書けない時代に、そうは問屋が卸さないとセカイ系と格闘する作家達の評論。扱うのは押井守や小松左京、新井素子、法月倫太郎の4人ですが、これが面白い。最近のラノベはぶっ飛んでいて(まさにセカイで)つまらないが、かといって社会派小説もちょっと…みたいな人は彼らをこそ読むべきなんだ。『ビューティフル・ドリーマー』、『スカイ・クロラ』、『日本沈没』など自分自身知っていた作品でありながらもなんだか良く分からずにかかっていた靄の取り払い方がよく分かった気がする。とりあえず恋愛しよう。

2013/12/12

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