ナポレオンの死 (海外文学セレクション)
ナポレオンの死 (海外文学セレクション) / 感想・レビュー
きゅー
ナポレオンはセント・ヘレナ島を密かに脱出していたという架空の物語。 訳者あとがきに「哲学的コント」という言葉が見える。ナポレオンが偽名を名乗り、結果的に本書で語られる最期を遂げるまでの道筋は、彼が実際に成し遂げたことから見れば本当に小さな出来事にすぎない。その小さな出来事の中に、大きな歴史に見れるような人間模様が散りばめられることで、結局のところ大きいものも、小さなものも同じなんだよ、という著者の言葉が聞こえてくるようだ。しかし「哲学的コント」という割に、あまりねじくれたところのない素直な物語に感じた。
2013/10/28
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