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少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

作家
桜庭一樹
出版社
東京創元社
発売日
2005-09-22
ISBN
9784488017194
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少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア) / 感想・レビュー

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紅はこべ

初めて読んだ桜庭作品。いかにもラノベ出身らしい文体にキャラ造形。P.D.ジェイムズの『女には向かない職業』は私立探偵のことだったが、少女には向かない職業は殺人者って、当たり前じゃん!って思わずツッコミ。舞台となる島の美しい自然描写と少女の心の闇の対比が見事。死と再生、そして少女の成長物語。大人びた子供は悪意には敏感でも、愛情には鈍感という傾向があるのかも。

2010/03/13

みっこ

【山口】桜庭一樹さん初めてだったけど…うーん、これは中学生向きって感じかな。いろんな意味で浅いなぁと。と言いつつ、なんだかんだ静香の告白には騙されましたが(笑)島の閉塞感がよく伝わってきました。狭い人間関係の中で家族に恵まれなかった子供は、身動きが取れなくなるよね。だからと言って殺していいわけないけれど。。義父もだけど、葵の母親がどうしようもなさすぎる。発言が本当にひどい。こんな人が世の中にいるのであれば、同じ大人として恥ずかしい。

2016/05/05

スケキヨ

うーん。中学生の友人関係・家族関係を上手く書いているな~。空気を読めなかった一言が生活の致命傷になる部分がものすごくリアルに描かれています。最後、少女の限界がはっきりしていて良かった。それにしても表紙の空と海の美しさといったら。こんな風景を毎日見ながら現実のどす暗さと共存しなければならないなんて、皮肉だ。

2010/11/10

風眠

思春期の少女たちを取り巻く世界への絶望と閉塞感、そこから抜け出したくて殺人に至るまでの少女たちの壮絶な闘いの日々を描いた物語。この物語に登場する少女は、いたって普通の少女だ。ちょっと芝居がかった殺人計画や、死への幻想があって、でも友達と呼んでいいのかどうか揺れる目の前の現実に悩んだり、そういう微妙な思春期の少女の気持ちが痛々しく胸に迫る。ここからが物語の山場!と思っていたところで話は終わる。えっ?ここで終わっちゃうの!?って感じだけど、その後をあえて書かないことこそが、作家の意図なのかなとも思う。

2012/08/17

うめ

突いたら弾けそうな薄い皮ののっぺりとした体躯でひたすら葉を食むだけの芋虫が、体も心もぐちゃぐちゃのどろどろなのを堅い殻で防御した蛹となり、やがてしなやかな身体に毒々しい鱗粉をまき散らす美しい蝶へと羽化をする。大人でもなく子どもでもない、狭間の時間。それが少女。変態のその瞬間に、死んでしまう、そんな個体も多いだろう。だけれども無事に蝶へと成った私たちは無慈悲にも忘れてしまう。弱かった時代と、空を舞えることなく死んだ弱い個体があったことを。少女に特有の心情が、ガラスのように尖ってきらめく文章に良く生えている。

2017/08/15

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