折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア) / 感想・レビュー
エンブレムT
こんな骨太ファンタジー設定を、あくまでもミステリの変化球としてだけ扱っちゃうの!?王道ファンタジーファンとしては「勿体無い!」としか言いようがないんだけど、ミステリファンとしては「変化球、アリです!アリ!!」とテンションがどこまでも上がる作品でした。ファンタジー界ならではのルールに則ったクローズドサークル。消去法によって浮かび上がってくる真相。領主の娘・アミーナの目を通し見たままを情報として読み取れるのに、それでも陥ってしまうミスリード。ほろ苦さと切なさ、温かさと希望の絶妙な配分。続編を熱望しちゃいます!
2012/03/11
遥かなる想い
2011年度このミス国内2位。 舞台は12世紀のイギリス 近くのソロン島。著者の言葉を借りると、剣と魔法の世界を舞台とした特殊設定ミステリである。 小ソロン島の領主の娘アミーナの視点で 物語が進むが、特殊設定ゆえに展開が ひどく自由で小気味良い。遠い時代に 思いを馳せながら、ミステリを楽しめる。かつての冒険王で勇敢なる 海の騎士だった父はなぜ殺されたのか 暗殺騎士は誰なのか?ソロン島という密閉された空間での推理。 アミーナとともに推理を進めるファルク、ニコラの存在が際立っているが....最後は反則である。
2013/09/07
文庫フリーク@灯れ松明の火
復讐のため頼ったルーン魔術。斬首されぬ限り不老不死・青き唇は自らかけた呪いの印、デーン人。吟遊詩人歌う英雄騎士は領主となり、呪われたデーン人迎撃準備のさなか、暗殺騎士の魔術に貫かれる。因縁と確執の暗殺騎士操る《走狗》を炙り出せ。魔術遣う探偵騎士ファルクと従士ニコラの探索・検証・推理。残った容疑者は8人。衆目の中、次々とファルクに《走狗》となりえぬ無罪証明され、残るは・・。ファンタジックな剣と魔術の世界・中世イングランドの孤島舞台に、領主のお嬢さまアミーナ目線で紡がれた特殊設定、ごりごりのミステリー。→続
2011/06/06
seacalf
中世ヨーロッパを舞台にしたミステリ。ただし魔法も登場するのでファンタジー色が強し。どれもいけるジャンルだからOK。凛とした領主の娘アミーナも聡明な騎士ファルクもそれぞれ魅力的だけど、何といってもこの物語の肝はニコラ。何故かハウルに出てくるマルクルとかぶる。ビスケットが好きなくらいまだ小さいけれど、健気でとても有能、主従関係を結んだ騎士様に減らず口(ただし敬愛の気持ちはたっぷり)を叩くところなんか微笑ましくて緩んでしまう。手強いデーン人との戦いもポワロさんばりの謎解き披露も読み応えたっぷり。面白いですぞ。
2019/04/19
mikea
1ページ上下2段の文章に、かなり読み応えあるかも・・・と入り込めるか心配になりましたが、あっさり世界に入り込めました。まるで海外ファンタジーミステリを翻訳してる本かと錯覚してしまうような素敵なお話。もしかして、海外ミステリーにもはまっちゃうかもしれないと感じさせられる本でした。私の場合は最後まで誰が走狗なのか分からず、びっくりさせられました。楽しい読書時間でした♪
2011/03/17
感想・レビューをもっと見る