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皆勤の徒 (創元日本SF叢書)

皆勤の徒 (創元日本SF叢書)

皆勤の徒 (創元日本SF叢書)

作家
酉島伝法
出版社
東京創元社
発売日
2013-08-29
ISBN
9784488018177
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皆勤の徒 (創元日本SF叢書) / 感想・レビュー

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みっちゃん

前回挑戦した時は、従業者の素材本来の味の食餌の箇所で「これにて御免」と挫折。今回は最初に大森望氏の解説を読み込み、読友さんのアドバイスにより【百々似隊商】から読んでみる。お、面白いんじゃん!すごく惹き付けられる物語世界だし。最後に取っておいた表題作は、血と臓物と肉片と粘液を掻き分けて、何とか読了したが、やはり「そ、そうなんですか…」としか言えん…いつか私にもこの壮大な世界観が理解できるのかしらん…

2015/07/24

藤月はな(灯れ松明の火)

全ての生物が感覚を司る器官とその反応を受け取る脳内の神経が変なふうに繋ぎ代えられ、電気ショックを流して「わぎゃおっ!!」と再構成されて以来、臓器と骨格と脂肪・筋肉が剥き出しになってぬぷぬぷ、まきゅあまきゅあという音を立てながら蠢動しているようなイメージを想像してしまった極北SF。難読漢字を使っている所に『十二国記』のようなファンタジー性も見える。そして社畜小説とも言える表題作が遠未来であり、読み進めるうちに現在に近い未来になっている構成も心憎い。個人的に輪廻転生ボーイミーツガールな『洞の街』が好きです。

2015/09/02

ヨコツ

凄まじい。今年読んだ国内小説の中では頭一つ抜けている。臓物を思わせる粘ついた世界を舞台に異形の生命が跋扈し、ほぼ全ての固有名詞が造語からなるという奇怪な連作短編小説。作中で造語や世界観に関する説明が一切なされず、読者は赤子が世界に順応してゆく様に感覚的に物語を把握せねばならない。しかし一見難解にも思えるその「世界を認識する」作業が殊の外愉快で懐かしく、全く苦にならない。本作はSFであるが、この物語がSFとしての全容を顕すのは全編を読み終えた後。それまでは未知なる世界を手探りで彷徨う快楽に身を浸したい。

2014/05/02

KAZOO

ちょうど読んだ、ウィルソンの「連環宇宙」を思い出しました。それを日本的・民族的な感じに焼き直していて結構はまってしまいました。また私がよく読む諸星大二郎のコミックを思い起こしました。連作短編なのでしょう、徐々に明らかにされていく全体感が身にまとわりつく感じがします。このようなSFは今までに読んだことがありませんでした。また著者自身が書かれている挿絵も効果的だと感じました。

2014/08/06

月世界旅行したい

祝、英訳!……英語でも造語だらけなのだろうか。牧野さんの後継者みたいな作風と思ってたけれど、異世界描写はジーン・ウルフも少し入っているかも。(あんな仕掛けだらけではないけれど)。というかウルフを漢字だらけでグチョグチョにいじるとこうなってしまうというかなんというか。塵がナノ関係のものって理解できるのってSF読者ぐらいじゃね? とか思ってしまうけれど、そう考えると大森さんの解説は必要だな。そこそこのSF読者なら多分ついていけます。ルビないとさすがにしんどいからよめないけど。

2014/06/02

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