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エクソダス症候群 (創元日本SF叢書) (創元日本SF叢書)

エクソダス症候群 (創元日本SF叢書) (創元日本SF叢書)

エクソダス症候群 (創元日本SF叢書) (創元日本SF叢書)

作家
宮内悠介
出版社
東京創元社
発売日
2015-06-28
ISBN
9784488018184
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エクソダス症候群 (創元日本SF叢書) (創元日本SF叢書) / 感想・レビュー

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starbro

宮内悠介3冊目です。考えてみたら寡作のせいもあって宮内悠介全単行本作品完読していました。火星を舞台にしているものの、あまりSFっぽくないせいもあって、3作の中では一番好みの作品です。科学技術は進歩するも、22世紀になっても人間の精神は進化しないのかも知れません。紀元前から2千年以上たっても、精神的にはほとんど進化していないと思うので、21世紀から22世紀にかけてほとんど変わっていないのも納得できます。

2015/10/23

ダイ@2019.11.2~一時休止

火星移民の精神医療問題がテーマ。実際に地球で起こってきた医療問題が時をずらして火星で起こっていく?。面白かったのだがチョットあっさりしてる感が・・・。折角の初長編なんだからもう少し掘り下げて欲しかった。

2015/07/15

みっちゃん

「正気の暗闇」全ての精神疾患がコントロールされても、理由なき自死が絶えない地球。ある不幸な出来事により、放逐されるように、故郷の開拓星、火星に戻った若き精神科医。技術も薬品も行き届かぬ、火星唯一の精神病院で、父が関わった25年前の事件、強い脱出衝動に駈られる「エクソダス症候群」を軸に描かれる彼の奮闘。淡々と突き放すような筆致は、彼の驚くべき過去とイメージが重なるが、正解は見えなくても、火星の過酷な環境に心を病む人々を救おうとする熱い心が感じられた。

2015/09/18

ぶち

舞台は開拓途上の火星。物資が不足していて、地球と同水準の生活は維持できません。精神医療はまるで19世紀のように患者は独房に閉じ込められるばかり。医師たちは賭博に明け暮れ、看護師は言うことを聞かない患者を平気で鞭打っていました。火星でただ一つのその精神病院に、若き医師が地球から赴任してくるところから物語が始まります。そして、まるで精神医療の歴史を始めから辿っていく過程を、読者は目にします。健常と狂気の違いは社会情勢や政治によって容易に逆転してしまうことを考えさせられただけでも読む価値はあったと思いました。

2018/10/08

おたま

近未来の火星で唯一の精神医療施設であるゾネンシュタイン病院。そこに精神科医のカズキ・クロネンバーグが赴任してくる。カズキには子供の頃に、火星にいたことがあり、父イツキ・クラウジウスが何等かの事件を起こした曖昧な記憶がある。カズキが火星にやってきたとき、「エクソダス症候群」という精神病が広がりつつあった。それは火星の環境からの脱出衝動を内包した妄想や幻覚を伴う一種の統合失調症のような病だった。そして、このエクソダス症候群に絡んで、何か不穏な動きが感じられる。思いもよらぬ方向に逸脱していくミステリーSF。

2023/04/18

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