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螺鈿の小箱

螺鈿の小箱

螺鈿の小箱

作家
篠田真由美
出版社
東京創元社
発売日
2005-11-23
ISBN
9784488023850
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螺鈿の小箱 / 感想・レビュー

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青豆

7つの短編からなる幻想ミステリー集。虹色に輝く螺鈿の小箱を開ければ、そこには妖しい美しさに満ちた宝石たちが輝く。サイゴンの熱気、満開の桜の下、第二次大戦時の上海の妓楼などを舞台に繰り広げられる美しく残酷な幻想劇。幻想小説が好きなので楽しく読めたが、少し物足りない気もする。皆川博子先生の作品の様なアジア独特の妖しい美しさがもっと欲しかった。

2015/10/17

藤月はな(灯れ松明の火)

再読です。幻想的で耽美な世界観に吐息が漏れずにはいられません。「人形遊び」は「黄色い壁紙」、「悪魔に喰われろ、青尾蠅」のような不気味さが素敵です。「暗い日曜日」はラストに驚きつつもお酒が無性に飲みたくなります。「象牙の愛人」は芳香が漂いそうな官能に溺れそうになります。「双つ蝶」は優位逆転という皮肉な残酷さにニヤリ。「ふたりあそび」の完結された世界の完成には身震いがします。個人的に好きなのは「春の獄」です。

2011/10/02

まめみ

幻想短編集、6話収録。そのうち何作かはアンソロジーで既読。独り語りのような文体が多く、慣れないうちは読みにくいけど、慣れてくると秘密の独白めいて引き込まれる。面白かった。

2011/02/24

ジョバンニ

幻想とエキゾチシズム。帝国軍人の少尉が、阿片窟が乱立する不夜城大世界に飲み込まれる「双つ蝶」と、歪んだ兄弟愛と桜という組み合わせが秀逸な「春の獄」がお気に入り。「春の獄」は赤江瀑さんの「青帝の鉾」へのオマージュだそうで、そちらも是非読んでみたい。

2018/06/06

かつらこ

最後にはいったい何がなんだったのかわからなくなってしまうような話を多く納めた幻想小説集。「象牙の愛人」の、故人を間に挟んで嫉妬しあう夫婦が、どうしようもなく耽美で淫靡で素晴らしかった。螺鈿の小箱は全編に登場するのかと思ったらそうでもなく、ちょっと残念。

2016/05/20

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