メグル
メグル / 感想・レビュー
takaC
読メで巡り逢った1冊(by 銀河さん)。1話目「ヒカレル」と最終話「メグル」は、ルカさん typical の超常現象。2話目「モドル」と4話目「タベル」は主人公の成長話。3話目「アタエル」はプチミステリー。『てふてふ荘…』みたいな新規開拓も良いけど、こういうトラディショナル物もそれはそれで良いな。
2011/08/24
kishikan
学生にアルバイトや家庭教師を斡旋する学生部奨学係に勤務する謎の女性悠木さん。彼女が紹介するアルバイトにはいわくがある。本人のためになるものもあれば、ならないものもあったり・・。ヒカレル、モドル、他、全5編の乾ルカさんらしい、読んでてワクワクする不思議物語。内4編は既にミステリーズに収録されてるけど、タイトル作「メグル」は書下ろし。みんなが知りたい悠木さんは最後まで謎のままだったから、きっと続編もあるよね。その時は、もう少し北海道らしい風景(北大のキャンパスや北海道の自然)も書き込んでほしいな。次も楽しみ!
2012/06/24
ちはや@灯れ松明の火
彼等は、その目で、見つける。労働の対価は報酬、大抵の場合それは金銭。けれど、お金では買えないものを手に入れられることもある。女性職員に半強制的に押し付けられたバイトへと向かう、何処かに埋まらぬ虚を抱えた大学生たち。寂しがりの死者にあの世へと手を引かれ、家族の絆が壊れた日へと記憶を戻し、濁った憎悪に塗れた餌を与え、身近過ぎて忘れていた幸福を反芻して料理を食べ、移ろう季節を彩る庭の手入れに巡りゆく生命を想う。そう、生命は繋がっている。拭えぬ死の陰影が輪郭を縁取るからこそ、世界はいっそう輝くのだと、気づく。
2011/08/14
七色一味
読破。某大学の学生課職員の悠木さんが紹介するアルバイトは、どれもこれも不思議なものばかり──、と書くと、本書のもつ雰囲気とは180度違うイメージに囚われるかと思いますが、実際悠木さんが紹介(というか押し付ける)アルバイトは、どれもこれも変わっている。そのどれもが、恐怖を煽るものばかりなのだけど、一概にホラー小説であるとは言えない「思いやり」とか「優しさ」が感じられる。ライトホラーなんてジャンルがあるかどうか分からないが、あるとすればこれがそうなのかと思う。
2011/10/10
紫 綺
『あなたは行くべきよ。断らないでね。』H大学生部厚生課奨学係の美女、悠木。彼女が紹介する五つの不思議なアルバイトにまつわる短編。おぞましい物あり、心温まる物あり、不可思議な物あり。それは、あたかも宙に浮遊するような、心地よい読了感を与えてくれる。「モドル」「タベル」は身につまされるためか、特に好き。
2011/09/11
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