ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ)
ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ) / 感想・レビュー
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
下町のフレンチレストラン〈ビストロ・パ・マル〉を舞台に、傷ついた心を癒す〈手〉のような絶品料理と謎解きを楽しむライトミステリー第2章。前作『タルト・タタンの夢』ではギャルソンの〈ぼく〉の視点から物語が展開していきましたが、本作では他視点から描かれる物語も含まれています。いろいろな可能性を模作しながらぜひ続いていって欲しいシリーズです。サムライのような風貌の名探偵にして腕利きシェフ・三舟のフランス修行時代のエピソードも描かれます。表題作は、前作で重要な小道具だったヴァン・ショーのレシビ誕生秘話(?)です。
2014/11/29
文庫フリーク@灯れ松明の火
料理はもちろん人物背景・ご近所さんと、ビストロ《パ・マル》はますます味が広がり深みも増して。パ・マル雰囲気の象徴、心ほぐす温かなヴァン・ショーはフランスのクリスマスマーケット・ミリアムおばあちゃんがオリジナルなのね。若かりし三舟シェフは野趣溢れるジビエ料理の味?ブイヤベースの彼女にわたわたするサムライ(笑)アンソロジー『ストーリーセラー』が最初の一皿だった近藤史恵シェフ。まだ8作しか味わっていないけれど、多彩な味。一皿ごとの味の違い愉しめて、追いかけ甲斐のあるシェフです。
2011/05/29
tokkun1002
ビストロパマル2作目。変わらず素敵な連作短編集です。単に料理毎という形よりも色んなアレンジで裾野を広げ、周りが一層見渡せる様になりました。分かりやすいのがいいシリーズも珍しい。知りたかった三舟さんのことが分かるエピソードもありますよ「マドモワゼル」とかは面白いね。「メロンパン」の三舟さんにはグッと来ました。
2014/04/19
えむ
七つの短編。前作にあり本作にないものは、金子ソムリエの俳句と話の終わりでのヴァン・ショー。〈パ・マル〉のオーナー小倉(20代後半の青年実業家)がちらりと登場。最後の2編はこの本の為の書下ろしで、三舟のフランス滞在中のお話。やはりタイトル作品がよかった。三舟シェフのフランス修行時代の話、とても面白いです。もっと作品出してほしいです。今年の冬はデュラレックスのグラスで飲むヴァン・ショーで決まりだ。2014-70。2605
2014/08/03
ヨミー
前回の「タルト・タタンの夢」同様、面白かったです。せつない話もあったが、それもそれでまたよかった。今回ヴァン・ショーは最後のタイトル作品まで登場しませんでしたが、誕生の謎というか経緯みたいなものがわかりすっきりした。あと、フランスのストラスブールのマルシェ・ド・ノエルも見てみたい。そこで、とびきりのヴァン・ショーに出会いたい。なんとかこのシリーズの続編なりスピンオフ的な作品を切に望みます。
2014/12/12
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