アリス殺し (創元クライム・クラブ)
アリス殺し (創元クライム・クラブ) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
設定のおもしろさが事件の謎を上回る。しかも事件の真相もまた水準が高い。2つの世界を往復(?)する登場人物たちが、どのように動き、世界の構造に対応するかが、まずは見もの。しかし本当の謎は、まだそこから始まるのである。あとから考えれば真相は見抜けてもおかしくないが、読んでいる途中では無理な相談。それにしても会話がまぬけすぎて笑える。天才的にシュールな漫才として読めるし、考え抜かれた虚をつく論理を、さりげなく織り込むワザにはうなる。個人的にはグロシーンが苦手なので、そこは遠慮したかった。
2020/03/18
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本格ミステリーでした。そしていつも読まないジャンル。なので、とても新鮮な気持ちになることができました。なので本当に良かったです。少しグロテスクでしたが、面白かったです。また再読したいです。
2020/04/08
青乃108号
夢と現実の世界がリンクする、前代未聞のミステリー。物語は夢の世界と現実の世界を行きつ戻りつするが、構成の巧みさか、もたつく間もなく一気に読ませる。終わってみればちゃんとミステリーだったな。面白い作品で満足しました。ルイス・キャロルの原典を読んではいないけど、何となく知ってる程度で大丈夫かと。
2022/07/05
barabara
SFとファンタジーが苦手な私が話題に逆らえずに手に取った一冊。読ませる読ませる、ぐいぐい。不合理が合理に買った瞬間なんて、そうそう遭遇できるもんじゃない。すごい本だった。アイディアというより、理屈で読書をねじ込むその力量に恐れ入った!完
2013/11/14
優愛
不思議の国のアリスの世界観をしっかりなぞったチグハグな会話が素敵。殺人の場面には目を瞑ってしまいながらもページを捲る手を止められない面白さ。さようなら、不思議の国の住人さん。ハンプティ・ダンプティもグリフォンも白兎も蜥蜴のビルも皆々消えちゃった。ここにはあの物語でお馴染みの道案内をしてくれる優しいチェシャ猫はいないのに。本当の一人ぼっちになってしまうのに。ああ。「おはよう、アリス」死刑を終えた血だまりの世界へようこそ。また今日も夢に溺れる日々を過ごすのね。繰り返しの世界で裁かれる次の住人は――あなたかも。
2015/06/12
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