優しい幽霊たちの遁走曲 (創元クライム・クラブ)
優しい幽霊たちの遁走曲 (創元クライム・クラブ) / 感想・レビュー
ゆかーん
森見登美彦さんの小説を読んでいるような感覚でした。古賀音にやってきたホラー小説家の津久田舞々さんは、この町の伝説を小説にしてほしいと依頼されます。夢と現実の狭間で、個性あふれる神様たちに振り回されてしまう舞々さん。「全ては古賀音の発展のため」と毛見町長に言われ、悪夢に悩まされながらも、黄泉の国と現実を行き来することで、徐々に神様とも仲良くなっていきます。神様とは、信仰心を忘れた人間が作り出した「捨て神」たち…。時の移り変わりとともに、人間の信仰心が薄れてしまう様子に、切ない気持ちで一杯になりました。
2017/08/02
とろこ
夢か現か幻か…。ホラーのようなミステリーのような、SFのようなファンタジーのようなコメディのような…。時折、やけに観念的な部分があったり、現代社会への批判めいた部分があるので、それが鼻につく人もいるかもしれない。が、個人的には、割と好きな世界観だった。主人公のホラー作家・津久田舞々と捨て神たちの会話ではクスクス笑ってしまった。特に、祟り神の英丹がツボ。人間は、信仰も都合良く利用してきたんだなぁ、と反省してしまったが、全体的にゆる~い仕上がりになっており、全く怖くないので、刺激弱めがお好みのかたにおススメ。
2017/08/26
ダミアン4号
ホラー作家の津久田舞々は行き詰った創作活動の起死回生をかけ編集者の助言で“古賀音”という寒村に移り住む事に。迎えた町長に案内され到着したのは山里に不似合いな堂々たる洋館…地元の名士・片喰鐡山という人物が建てた邸宅という事なのだが…不思議な声に操られ敷地内の祠の扉を開けると白装束のおかっぱ頭の少女が!自ら“塞の神・伏女”と名乗る彼女に翻弄されながら自らの置かれている状況を知ろうとあがくうちに次々と封印を解いてしまい…執事の様な祟り神とか女子高生っぽい水神とか神様の描き方が今っぽい!明かされる謎にほほぉ(笑)
2017/05/14
ぽろん
これは、幻想?現実?奇談?曖昧な境界線にもやもやしながら読了。人間に忘れ去られた捨て神様達、優しかったんだな。
2017/04/27
星群
祟り神、稲荷神、水神、道祖神等の神様が活躍するお話。この本を読書中は、夢の様な荒唐無稽な世界に連れ込まれ、ただただ呆然としてた気がする。あらすじを読んで楽しみにしてたのに、ちょっと残念な気持ちになりました。しょんぼり。呆然とした中でも、恐竜にも敬う神がいたのかぁと思いました。
2021/05/10
感想・レビューをもっと見る