残照 (アリスの国の墓誌)
残照 (アリスの国の墓誌) / 感想・レビュー
雪紫
再読。「アリスの国の殺人」以来辻さんおなじみのミステリ好き憩いの場「蟻巣」が時の流れで閉店。閉店パーティーも終えた後に今は亡きあのひとを偲び常連達が昔の事件を謎解きすることに。事件が起きたふたつの時代には産まれてすらいないのに何処かノスタルジーと寂しさを覚える。老齢に差し掛かりポテトとスーパーのシリーズや色んなシリーズを終えた辻さん。蟻巣の物語が終わっても何処か彼ららしい引きと寂しさを感じる。
2020/12/11
へくとぱすかる
「アリスの国の殺人」から35年。シリーズ終幕を飾る作品。大晦日に読むのにふさわしいミステリだろう。とはいえ、前作を読んだのが昨年の8月なんですが(笑)。1946年と1966年という二つの過去と、2015年とが交錯するストーリー。一生を股にかける時間スケールに圧倒されるし、アニメやマンガという辻ワールドもからんで、まさに作者にしか書けない作品だと思った。
2017/12/31
こうちゃ
☆3 新宿ゴールデン街に店を構えるバー『蟻巣』がついに閉店の日を迎える。大家に鍵を返却するまでのわずかな時間、ママの近江由布子と常連客たちが思い出すのは、看板猫・チェシャをなでながらパイプをくゆらせていた物静かな巨匠、やはり常連客だった今は亡きマンガ家・那珂一兵の姿―。別れの酒の肴にと語られた、一兵が遭遇したというふたつの衝撃的な事件の経緯と真相とは?昭和のマンガ・アニメ史とともに描くミステリ。名探偵コナンの脚本を手掛けているという著者。確かに、相手を思うあまりに哀しい結末が訪れるパターンは同じだった。
2016/07/01
遊々亭おさる
新宿ゴールデン街の片隅で、酒とマンガとミステリをこよなく愛する常連客が推理合戦をこうじながら細々とその歴史を紡いできたバー『蟻巣』も寄る年波には抗えず、とうとう閉店の日を迎えた。寂寥の念と共に彼らが最後の推理に挑むのは、常連客だった今は亡き漫画化が遺した奇妙な二つの事件…。著者の辻真先さんや作中の登場人物と共に人生の終盤に漂うノスタルジックな感傷を味わうための一冊といった風情。本シリーズの愛読者でなければ置いてきぼりをくらう気もしますが、反戦への思いは死を見つめている著者の遺言として心に刻もうと思います。
2016/08/04
Syo
辻真先。 ずぅ〜っと前から知ってる。 サザエさんの脚本。 この人の時は、 なんだか後味が悪い っていう記憶が…。 これは、ミステリ。 いいのよねぇ〜。 凄いぜ。
2016/06/16
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