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十二章のイタリア

十二章のイタリア

十二章のイタリア

作家
内田洋子
出版社
東京創元社
発売日
2017-07-20
ISBN
9784488027742
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十二章のイタリア / 感想・レビュー

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どんぐり

「辞書」に始まり、「本から本へ」で終わるイタリアをめぐる12章のエッセイ。最終章は、内田さんの著したヴェネツィアからイタリア半島の山奥にある村『モンテレッジォ:小さな村の旅する本屋の物語』へとつながる。〝本を読む人は不滅の過去と出会い、5千年を生きる”と学生に向かって読書の功徳を説くウンベルト・エーコが出てくる「テゼオの船」。農道をフェラーリ3台で突っ走る「自動車雑誌」、金塊で本の形をした文学全集の制作を注文する金持ちの「貴重な一冊」も面白い。

2019/08/04

ユメ

内田洋子さんのイタリアを題材にしたエッセイは、これまで読んできたどの著作も味わい深かったが、書物という切り口からイタリアを見つめた本書は感慨深さもひとしおだった。辞書、電話帳、レシピ集、写真週刊誌、自動車雑誌…様々な形態の本から立ち上る、イタリアの市井の人々の暮らし。「本は人、と言いますものね」ミラノの出版社社長の言葉が、胸の中の透明な水面に鮮やかなインクを落とすようだった。内田さんは、イタリアという巨大な書物を紐解いている。その一章一章は、紛れもなく人の生き様なのだ。

2018/03/30

mizuki

イタリアに魅了された著者、須賀敦子さんに、ラヒリと手に取り、今回初めて内田洋子さんの本を読みました。イタリア語に苦悩した学生時代のお話や、初めてイタリアを訪れた話、イタリアで仕事を始めた話。どれもイタリアの魅力が詰まっていて、いつかわたしも訪れたいと思わずにはいられませんでした。そして何よりも本にまつわるお話が一番ワクワクしました♡ 新刊本につながるラストの「本から本へ」も良かったです!あとがきにある、本を読んでいた時期や場所が絵葉書から蘇ってくるというお話にとてもロマンスを感じました♡

2018/05/20

しゃが

すてきなエッセイだった。イタリアの自然と寄り添う人、村の営み、本とのふれあいが詩情と思索豊かに語られている。印象的だったのは「本屋のない村」の地方紙面の話。もう一つ「本から本へ」で本を背負って行商をしていた村の話だった。二つには表層的には相反する出来事だが、ともに通ずるものがあり深かった。須賀敦子さんのイタリアを彷彿させるような雰囲気もあった。落ち着いた読書が愉しめた。

2017/08/18

イオちゃん

イタリアには行ったことがない。私にとっては、遠い国。いくつかの地名と料理と遺跡を知っているだけ。そんな私でも、町や村の風景が目に浮かび、そこに住む人々の暮らしが身近に感じられるエッセイ集。イタリア人は、親しみやすく、愛にストレート。面白かったのは、自動車雑誌掲載のフェラーリ「読者の乗車体験記」。男性ドライバーは車を女性に、女性ドライバーは男性に擬人化して、その内容は官能小説さながら?日本では絶対に無さそう。ナポリでは、クリスマスイブにウナギを食べるとか、北と南の地域格差などの問題とか、興味深く読んだ。

2017/09/26

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