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キネマトグラフィカ

キネマトグラフィカ

キネマトグラフィカ

作家
古内一絵
出版社
東京創元社
発売日
2018-04-28
ISBN
9784488027858
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キネマトグラフィカ / 感想・レビュー

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しんたろー

映画会社に同期入社した男女6人の過去と現在を描いた話…好きな古内さんの好物の群像劇が読めると楽しみにしていたが、チョッと肩透かしだったのが正直な感想。それは、主役男性3人の心情が描き切れていないから…主役女性3人は共感できたし(特に麗羅と咲子は素晴らしい!)脇役も女性課長、経理の女性、スナックのママまで「上手いなぁ」と思えただけに男性たちが上手く機能していないのが残念。フィルムのリレーで各人に繋いでゆく構成は良いが、咲子だけを主役にするか、女性3人を主役として男は脇役にした方が気持ちが乗ったかも知れない。

2018/06/29

ウッディ

バブル期に映画会社に就職した6人の同期が群馬の古い映画館「桂田オリオン」に集まる。そこは、かつて一本の映画フィルムを各地の映画館で上映するため全国リレーしたスタート地点だった。性格も背景も映画についての知識や思い入れも違う6人の視点から語られる構成は、中学駅伝を描いた瀬尾まいこさんの「あと少し、もう少し」に似ていると思った。周囲からの印象とは違う本人の葛藤や悩み、そして今に至るまでのそれぞれの人生。携帯電話もなく、デジタル化が進んでいなかった当時の様子は、映画館で名作を観たようなノスタルジーを感じました。

2018/08/31

ナイスネイチャ

図書館本。これは面白い。映画配給会社に同期入社した6人が数十年ぶりに再会して懐かしむ連作短編集。ケヌキリレーなるフィルム運搬作業から連なるそれぞれの葛藤や思いが重なり、当時のアナログ時代映画の楽しさが溢れてました。

2018/06/22

モルク

平成元年に老舗映画会社に入社した同期の男女6人。映画がまだフィルムだった頃、ポケベルを持たされ公衆電話を必死に探し早打ちをする高校生の列に並び会社に連絡をするサラリーマンたち、あったあったそんなこと。帰国子女でバリバリの麗羅と仕事にそしてまわりとのギャップに悩む咲子に共感が持てた。男女雇用均等法が声高に叫ばれ女性も総合職につくが、まわりの目はやはり女性に対して厳しい。営業でも接待要員だったり、そして女性の敵は女性であることも。古内さんはかつて映画会社に勤めていたそうなので営業の実態がわかりやすかった。

2019/05/23

tetsubun1000mg

この本の事を知らずに最新刊の「二十一時の渋谷で」を読んで大変面白かったので選びました。 順番は逆でしたが期待どおり一気読み。 映画会社勤務の古市さんならではのストーリー。 90年代のバブル末期の日本と、斜陽となった映画産業の実態と働く人たちがイキイキと描かれている。 キネマトグラフィカと続編はセットで構想して書かれたのでしょうね。 同期入社のメンバー目線で書かれているが、咲子が作者の経験を活かしているのではと感じました。 読む順序に関係なくそれぞれ大変気に入りました。 直木賞ノミネートも近いかもしれない?

2021/12/02

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