嗜好機械の事件簿
嗜好機械の事件簿 / 感想・レビュー
麦ちゃんの下僕
漫画家として唯一「日本推理作家協会賞」&「本格ミステリ大賞」を受賞している喜国さんによる、古今東西のミステリーをネタにしたギャグ漫画集(笑) 作中に出てくるミステリー作品も、メジャーなものから超マイナーなものまでかなりの数ですし…“名作”への皮肉やツッコミ、ミステリーに対しての風刺も効いていて、とにかく笑えます!僕は特に横溝正史作品のパロディ「六つ墓村」「地獄の手毬唄」「太神家の一族」が好きですね♪︎(←探偵の名は「近代血」!?) コロナ禍をテーマにした4つの作品も、着眼点が秀逸で巧いなぁって思いました!
2022/10/10
へくとぱすかる
お見事! 最初の「鉄の城」で、すでに大爆笑。元ネタを全部知っているから、なおさらおもしろい。よくぞここまで本格ミステリをおちょくってくれました。こんな鉄博、実在するなら絶対行ってみたい。「本格教室」はむちゃくちゃマニアックでした。ミステリファンの中学生が丸暗記しそうだ(あのころの自分がそうしたかった。本当)。この凝り方は作者のミステリ愛とパロディ精神の結実だと思う。でなければこんなに笑えません。タイトルだけでも「太神家の一族」「六つ墓村」「そんで誰もいなくなった」とか、元ネタ作品を読んでみたくなります。
2024/08/12
ぐうぐう
古今東西のミステリと戯れる『嗜好機械の事件簿』。その戯れ方が半端ない。冒頭、鉄道ミステリ博物館を舞台にした「鉄の城」からして、ミステリ愛に溺れるマゾっ気な快感を味わえる(『黒いトランク』や「押し絵と旅する男」は定番だけど、『新幹線大爆破』を取り上げる辺りが憎い)。探偵小説に詳しいご当地アイドルを作って村おこしをしようと目論む「シン・山田村事件」もたまらない(ご丁寧に画のタッチをつげ義春風にしてるのがおかしい)。(つづく)
2022/07/02
阿部義彦
東京創元社が漫画本を出すなんてビックリ。作者は推理小説マニアの喜国雅彦さんです。元は東京創元社発行の「ミステリーズ」に連載されていた「嗜好機械の事件簿」を中心に構成されてます。私も推理小説のオールドファンなのですぐに、フットレルの「思考機械の事件簿」からのもじりだなと分かりました。『13号独房の問題』は私も興奮して遥か昔に読みましたよ!さて、内容は本当にしょうもなくて楽しめました。特に全編これ、つげ義春のパロディの「シン・山田村事件」が圧巻でした。とにかく作者の推理小説に対する知識は半端ないです。最高。
2022/10/12
ひびキング
若い頃に読んでたのは「傷だらけの天使たち」だったか。ミステリーに執心されてたのは知らなかったし、私自身古き良き時代の本格ミステリーは表面をなぞった程度なんだけど。この作品集はあの頃のちょいエッチでブラックなクスリと笑える喜国の漫画そのままだ。なんだか懐かしく感じながらもコロナ禍ネタまで取り揃えた最新版喜国雅彦を満喫。
2022/08/13
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