刑事何森 逃走の行先
刑事何森 逃走の行先 / 感想・レビュー
いつでも母さん
『クー・バン』なる組織がこの国にあってほしいと思ってしまうのは、この国が弱者に優しくないからだ。何森の相棒・みゆきが言う「私たちは、何も知らないんですね・・・」そうだ、みゆきだけじゃない。私も何も知らないんだ。〈社会全体として難民問題に関心を寄せる人が少ないことがあります〉くぅ・・デフ・ヴォイスシリーズのスピンオフ第2弾、複雑な気持ちで読了した。定年間近の何森は、これからどうするのだろう‥
2023/07/07
しんたろー
『デフ・ヴォイス』のスピンオフで、刑事・何森シリーズ 第2弾は、3編の連作短編…私は知らなかった日本の問題点を鋭くとらえた内容で、己の不明を恥じた。追い詰められた社会的弱者が犯罪に手を染めてしまう哀しい事件に、何森とみゆきが向き合う物語。司法や行政の歪みに愕然とするし「明日は我が身」と思える現実が恐ろしい。それでも、人に対する希望を訴えているかのような丸山さんの文章に多少は救われる。サスペンスとしての面白さを持ちながら、切ない人情も書き込まれていて、我々が考え行動すべき指針となる是非、続けて欲しい作品👍
2023/08/05
fwhd8325
シリーズ2作目。舞台が地元だけに、よりリアリティを感じる物語でした。様々な問題を織り交ぜながらのこの展開は、見事だと思います。最終決着は次回にお預けなのでしょうか。これからも何森刑事の活躍を期待しています。
2023/09/05
ネギっ子gen
【続篇実現のため、この読メで「刑事何森」を推しましょう!】「デフ・ヴォイス」のスピンオフ第2弾。著者曰く「シリーズのレギュラー陣の中で一番人気のキャラクター」の刑事・何森稔も、本作では定年を迎える年齢。ということで、本作は刑事何森にとっては「最後の事件」となるのだが、著者は3作目もシリーズの一環として書きたいようである。そして、その3作目が日の目を見るかどうかは、偏に本作の売り上げにかかっていると。「外国人女性」と「女性」に関わる物語。ベトナム人技能実習生の課題など、問い掛けられた書。「逃女」など3編。⇒
2023/08/18
Karl Heintz Schneider
スーパーのレジで客に絡まれていたベトナム人の女性を偶然居合わせた何森(いずもり)が救う場面で幕を開ける本書。この女性が本書のキーパーソンであることが後々わかる在留資格・仮放免・自国送還・パパ活・妊娠・医療保障。在日外国人女性を取り巻く様々な問題が描かれている。「あなたたちが『罪』としている行為をなし、追われていること。それは本当に罪なんでしょうか。」彼女たちを逮捕して入管に引き渡すことが果たして正義なのか。刑事としての職務と天秤にかけ、何森の心は揺れる。最後の10数ページは息をのむ展開の連続だった。
2023/08/10
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